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自己事故ジコ。

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今日のアルバイトの帰り道。

車道に二台の車がとまっている。

前の車が何を思ったかバックしようとする。
衝突するな、と思った瞬間、まさに衝突した。

軽い衝突音。

運転席には父親らしきムッシュー、助手席にはそのおじょうさんか。
「パパったらなにやってるの!」
と聞こえたような聞こえなかったような。

衝突された車の運転席には推定七十代くらいのマダム。
助手席にはそれよりも若いマダム。

あらあら、と言っているような顔が見える。

衝突したパパはすぐさま少し前進して駐車。
衝突されたほうもその後に駐車する。

フランスではこの程度の事故は両者の間で合意調書を作成して保険会社に送る。
よっぽど大きい事故でなければ警察や救急車の出番はない。

わたしはそこまで見てちょうど角にいたせいでそのまま角を曲がった。






わたしはニースでは一度、事故を起こしたことがある。
かれこれ五年ほど前になろうか。

子どもたちが通っていた丘の途中にある学校に
毎朝四人を乗せて登校、夕方四人を乗せて下校、という生活をしていた頃だ。

その学校は不便な場所にあるし遠方から来る子どもたちも多くて
ほとんどの子どもたちは親の送り迎えする車で登校してきていた。

学校へ到着するまでもくねくねと山道が続くが
校内に入ってからもくねくねとのぼりおりの激しい道が続く。

夕方、子どもたちを乗せて校内にいた。

朝、夕、校内は車だらけになるので数人の職員さんたちが車を先導してくれる。
わたしはその時、かなり急な坂の途中にいた。

そして反対方向からのぼってくる車がのぼりやすいようにと車をバックしたら「ゴツン」という音。
「やっちゃった」と思うと同時にわたしは車から降りた。

わたしがぶつけた車は小さなプジョー。
乗っていたのは着任したばかりの体育の先生だった。
神経質そうな顔をしたブロンドのマダム。

わたしの車はルノー・エスパス。
七人乗りのファミリーカー。

「なんでバックしたの?」
確か開口いちばん、こう言われた。

「前の車がのぼってきやすいように。確認せずにバックしてしまって」
そんなことを言った気がする。

幸い、車はどこも痛んでいなかった。

子どもの名前を聞かれ、クラス名を聞かれた。
なんだかこちらが逃げるとでも思っているみたいだなと思った。

念のために、と電話番号を聞かれて、それで終わった。

しかにウチに着く前にこの先生から電話があり
「カーラジオの調子がおかしい。事故の衝撃のせいだ」
という。あらら。

わたしにとっては幸いしたのはその場で合意調書を作成するはめにならなかったことだ。
こんなもの、読んでもちんぷんかんぷんだし、完全にお手上げだったはず。

翌朝、夫がつきそってくれて、先生と事故検分。
神経質そう、な印象だったがその朝の彼女は完全に戦闘モードに突入していた。

よく覚えているのは彼女が
j'ai la bonne foi ジェ ラ ボンヌ フォワ

と言い、夫が苦笑いしながら
vous voulez dire que nous avons la mauvaise foi ? ヴ ヴレ ディー ク ヌザヴォン ラ モーヴェーズ フォワ

言ったこと。
わたしは foi フォワ とは「信仰」だと思っていたから

「わたしはいい信心をしていいます」
「あなたはぼくたちが悪い信心をしているといいたいのですか」

という会話だったと思っていたのだが今辞書を見るとおそらくは

「わたしは誠実です」
「あなたはぼくたちが不誠実だといいたいのですか」

という会話だったらしい。くー!foi にそんな意味があったとは!
真意を知るのに数年かかってしまった。





わたしは悪いのはわたしの方であるのだし
修理代を請求されたらそれはそれで仕方のないことと思っていた。

話し合いは夫と先生の間でなされて、校内に設置されているビデオを借りるとかなんとか、
なんだかそのへんのことは被害者である先生がされるらしい。

被害者、つまりは金を受け取る側が動かないとならないという仕組み。
こちらは待つしかないらしく、それはそれはごくろうさまです、という感じでお別れした。

ひと月くらい後に何かしら請求書が届くのかしら
と思っていたらそれ以来、何の音沙汰もなし。

夫が想像するに保険会社が検証したはずだからその結果
カーラジオが損傷する事故ではないと結論づけたのではないかと。

まさか先生をつかまえて「どうなりました?カーラジオの件」
と聞いてみる勇気もなく、ほんとうにそのままになってしまっている。

朝夕の送り迎えだけだと、そしてたまに来る体育の先生だと
わざわざ連絡をいれて約束しないかぎり顔を合わせる機会はないのだ。

その先生はその年の三女の体育の先生だったのだが
「神経質そうな印象を受けるけど、授業はたのしい」
ということでわたしとの事故が尾を引いている様子もないのでなんだかほっとしたものだった。







ここまで書いたところで自己事故黒歴史を思い出した。

日本でもわたしは一度だけ事故を起こしている。
長女が生まれて長くペーパードライバーだったわたしが車を運転しはじめた頃。
乗っていたのは夫の日産ランドクルーザー。

信号待ちで停車したのだが白線を少し出てしまい、
気持ちが悪くてバックしたら後続車に追突、というおばかをやってしまった。

ぶつけてしまったのはトヨタエースだったか、ワゴン車だった。

この時、何を思ったか、こわくなって逃げようとしたわたし。
もちろん逃げきれるわけもなく、追いつかれてご用。

いま思い出したけどこの時もカーラジオの損傷とか言われた。
そしてこのときはほんとうに弁償した。

そんなことよりも「逃げた」自分がはずかしくて情けなくて。
おのれの不誠実さを思い知った事件ではあった。

だから今度事故を起こしたらけして逃げないで誠実に対応しようと決めていた。

それがニースで起こしたあの事故だったんだなあと今ごろ気づいているわけだが、
ただただ誠実に誠実にと対応したら何も弁償しないですんだ。

いやいやこれはたまたまのことでふたつの事故はまったく関係ないことだ。

いやほんとうにそうか?

これはたまたまなんかじゃなくて
わたしがほんとうに逃げないやつに成長したかテストしてもらった事故だった。

たまたまと思うか
たまたまなんかじゃないぞこれはと思うかは百パーセントわたしの自由。

ものごとを理解するのに数年かかる。
ということがよくあるなわたしには。ああ楽しい。












写真は2019年6月三女。学年末は仮装して登校する日があってその日の朝の風景。ウケル。
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何ごともすぐにはわからない。でもわかる日はきっと来る。未来のどこかにそれがあるというよろこび。


運転時にはバックはするな。バックしたら事故ると思え。これわたしの教訓。運転、いまはしていない。車がないから。






by kyotachan | 2020-09-18 01:08 | 非 日 常 事 | Comments(2)

conduite コンデュイット/ 運転_f0136579_00131079.jpg

わたしたちがニースへ来て最初の車はルノー・エスパスだった。

六人家族だから車の車種もおのずと決まってくる。
エスパスは七人乗り。

運転免許を取ってからはわたしが学校の送り迎えを担当した。


はじめて子どもたち四人を乗せて学校へ行った日のことは忘れられない。

学校までの道は坂道の連続で急カーブが続く。
その学校へはほとんどの子どもたちが親の車で登校するから付近の交通量も多くなる。

その日、子どもたちは祈るような目でわたしを見つめ、ひと言もしゃべらなかった。

いや、何か言いかけてはお互いに「しーっ!」などと言いあっている。
わたしの運転への集中力をそいではたいへんだとでも思っていたのだろうか。

おそらくは子どもたちはわたし以上に緊張していたのだろうと思う。

なんたって前回、学校に来たときには運転席に座っていたのは父親の方で
わたしはそれを心細そうに眺めていたのだから。

あの、しーんとした車内の空気を、なんだかおかしく、そしてなつかしく思い出す。

そんなわたしも数年間毎朝毎夕運転を強いられていれば、
運転技術が向上したかどうかは別にして、どうにかこうにか、慣れてきてしまうもの。

ただ狭いスペースに車を入れ込む駐車技術だけはどうしても慣れることができない。
四方八方から運転中の人たちの視線にさらされている、というのも一因だと思う。
妙に緊張してしまってあちこちをぶつけながらぜーぜー言いながらの駐車になってしまう。

「またぶつけたー。パパには内緒ね」

と言うせりふを何度子どもたちに言ったことか。

そうして夫だけが運転していた間はそここそいい顔のエスパスちゃんが
わたしが運転しだして数年後には「ボクのかわいそうな車ちゃん (pauvre ma voitre)……」
と夫がつぶやいてしまうほどのぼこぼこ顔になってしまった。

いやほんと、前、後、右、左、まんべんなくこすって、すって、ぶつけて、
わたしの運転技術を宣言しているような様相になってしまったのだ。
そんな車を運転している人はけしてめずらしくはないけどね。

数年前に夫はトヨタの車を買った。
これももちろん七人乗り。

オートマなのだけど、わたしはけして運転させてくれない。
わたしの方もまたぼこぼこにしてしまう自信があるから何も言わない。

ちょうど夫が遠方の会社に行くことになり、
わたしはエスパスで学校の送り迎え、
夫はトヨタで会社へ、という生活が続いた。

そうこうしている内にエスパスが修理のできない故障をした。
いや、修理はできるのだが、大きな部品を丸ごと交換しなければならない故障で、
その修理代が技術料込みで 2000 € (≒ 262000 yen ) かかるのだった。

あとひと月で夏休みになり、わたしは車が必要でなくなる、という時期でもあった。

ほとんど十年、走り続けてくれたエスパス。
一度はわたしがだめにしたバンパーの部品を大きく代えてもらった。
だけどここで大金をはたいて修理に出すのが賢明か、夫とわたしは迷った。

送り迎えの必要なのはいつの間にか四人からふたりだけになってもいた。
そしてそのふたりとて、トラムと徒歩で充分に登下校できる年齢に達していた。

なかなか決断が下されず、しばらく放置していたエスパスだったが
夫の友人が譲り受けたいと申し出たらしく、それはあっさりと引き取られて行った。

こうして我が家の車はふたたび一台となり、
その車は夫によってしか動かすことのできないシロモノなのだ。

バカンス中の長旅もしかり。

わたしは運転をしたくてもさせてもらえず、
ねえ、疲れたでしょう?代わるよ、という申し出はけして受け付けられない。

それはわたしの運転する車の助手席に座っているのは
運転するストレスよりも勝る、という理由らしい。

最初の頃こそ、そんなあ!それは言いすぎでしょー!とすねてみたこともあったのだけど、
いまとなっては、そうだよねー、そうかもしれないねー、と開き直っている。

いやほんと、運転技術が未熟でたいへんに申し訳ありませんねえ、と申し訳がるわけでも、
夫が運転で疲れているから、助手席では常に秘書のなったつもりで常に気を張っている、ということもこれまたまーったくなくて、
いやもう、ほんっとに、そんなことはまーったくなくて、
首をかっくーん!と曲げて寝入ってしまい、いびきさえかいてしまっている(らしい)。

だって、しょうがないじゃん!
運転、させてくれないんだから!


















写真は高速道路から見えた空。混みあっている模様。
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寝ているばかりじゃなくて、起きているときもあるのよ。たまに。








by kyotachan | 2017-08-31 16:04 | vacances d'ete 2017 | Comments(2)

défi デフィ/ 挑戦







défi デフィ/ 挑戦_f0136579_0545949.jpg


街で見かけたナイスな車
こうもペイントしてあると盗難にあわなくてラッキー笑

実は運転免許の二回目の試験を受けました結果は

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by kyotachan | 2009-04-17 03:18 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(35)







temps printanier トン プランタニエ/ 春の陽気_f0136579_3251467.jpg


朝晩はまだ冷えるけどブーツはもうはきたくない
花粉なんてへっちゃらさわたしはやっぱり春が大好き


















今日自動車免許の実技試験でした
交差点での確認が甘かったのが二回ウィンカーを上げ忘れたのが一回。。。
自信満々で周りには3.11でわたしの教習所生活にはピリオド!と豪語してたんですが涙
結果は一週間以内に郵送されてきます。。

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不合格だったらまた挑戦するまでさー
。。。結果がわかるまではなんだか落ち着かないキョータにポチポチといっといてやって?


恐れ入ります
by kyotachan | 2009-03-12 03:36 | 日 常 空 間 | Comments(12)






mains vertes マン ヴェルト/ みどりの手_f0136579_23312643.jpg


教習所のおしゃべりなおばちゃん先生にたずねられました

est-ce que vous avez des mains vertes ?
エスク ヴ ザヴェ デ マン ヴェルト/ あなたはみどりの手してる?

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by kyotachan | 2009-02-02 00:17 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(26)







embrayage アンブライヤージュ/ クラッチ_f0136579_1473963.jpg


年が明けてから運転教習開始

一日一時間ずつ受講して今日で八日目
あーまだそんなもんなんだなー

毎日違うコースを走るのでもうずいぶんニース市内を走り回った気がする

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by kyotachan | 2009-01-24 01:54 | 日 常 空 間 | Comments(23)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族