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なんだなんだ!けっきょくオレってけっこうちっせーんだな!

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急に秋になった、と思うその日の朝、
わたしはバイト先の店先を掃いていた。

若いフランス人の男の子、といっても年は三十五、あるいは四十くらいか、
ニースにはめずらしい白いワイシャツにネクタイ姿の、
見るからにニースの人ではない感じの、けっこう感じのいいその男の子が、

わたしに笑いかけながら通り過ぎようとした。
わたしも同様にちょっと笑った、と思う。

と、その男の子が、ちょっと引き返して来て
「すみません、中国人の方ですか」
と聞いた。

ふいをつかれ、首を横にふる。

「あ、そうですか、いやすみません、いま、中国人の方を探しているんですよ」。
感じのいいその男の子はなんだか無邪気な顔でそう言い放った。

わたしはなんだか、自分が日本人だと主張する気も起こらず、
そして、なんで中国人を探しているんですか、
というものすごく知りたい疑問を投げかけることも出来ず、

なんだか困ったちゃんの顔をして首を横にふることしかできなかった。

そうしながら、はっきりと、あ、オレって今、ものすごく傷ついてる?

という自分を自覚した。

ここ数年、自分自身でさえ、日本人、中国人、韓国人、タイ人、ラオス人、ヴェトナム人、
いやもう、アジア人ひっくるめてまるで何人なのか判断することができずにいた。

だから、自分に言い聞かせていたのだ。
国籍を間違われててもけして腹を立てることはすまい。

日本人の自分だって、アジア人の中のどこの国の人か
まったくわからないんだからさあ!

そんなひとりよがりの決意とは裏腹に
簡単に、なんだかもう、ひどく、傷ついているオレ、いま、ここにひとり。ぽつり。

なんだなんだ!けっきょくオレってけっこうちっせーんだな!

















と自覚した秋のはじまりのいちにち。
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写真は2013年十月の空。








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by kyotachan | 2018-09-27 04:51 | 吐 き 出 す | Comments(8)

ニースにもようやく秋の風。

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今朝はGジャンをはおって出かけた。

今年は、夏の間も充分にあつかったけれど
それよりもなんだか九月に入ってからのあつさが厳しくて
ずっと長いこと、真夏と同じような格好をして過ごした。
足元もサンダルばかり。

いくらコートダジュールといえども
真夏と真冬の長さを比べたら真夏のほうが短いに決まっている。

こんなにいつまでもあついのは運がいいのだ
とは思うのだけど
いつまでも続くあつさに、ちょっとへきえきしていたのも事実。

子どもたちは学校から戻るとあつさで疲労しきっており
「なんなの、このあつさは!」
と不機嫌になる始末。シャワーに直行。

今朝は会う人ごとに
「どうよこの涼しさ」
「なんだか寒いくらいなんだけど」
と口をそろえて言い合った。

年をとってからこちら、四季のある国はすばらしいなと思うようになった。

夏になると大きな上着を着て熱々のココアを飲む時間が愛おしくなるし
寒くて身が縮みこみそうなときはギラギラと輝く太陽が恋しくなる。

勝手なものだと思うけれど、季節はけして裏切らずにわたしたちのところに巡ってくる。

小さいころは桜の咲く春が好きだった。
若い頃は断然、太陽の照りつける夏。
いつしかあつさのおさまる秋って最高、と思うようになり、
あんなに嫌いだった冬を、寒いのだって悪くないと思うようになった。

どの季節も、それぞれがいいなと思うようになった。
ほんとうに、四つの季節をひとつひとつ、だんだんと同じように好きになっていく。

ニースにもようやく秋の風。














写真は2013年、シャガール美術館庭園にあるスナック。
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日中はまだまだあつくてだいたいの人は真夏仕様。









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by kyotachan | 2018-09-26 23:56 | 日 常 空 間 | Comments(6)

民族や国籍ごとにはくくれない。

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「わたしのクラス、めちゃくちゃ多いのロシア人が」。
リセ二年目の次女が言う。

「なんちゃらかんちゃらポランスキー、みたいな名前の」。

ニースのロシア人、というのは昔から多かったのよ。
だってほら、鉄道でロシアからニースまで、つながっているじゃない?

そう説明してくれたのは誰だったか。

今は鉄道より飛行機が主な手段だとは思うが
確かにロシア人は多い、というかどんどん増えている気がする。

特に女性。
ニースのロシア人、というと、目に浮かぶのは
肌がまーっしろで、おそろしく美人で、そして金髪。

あ、唯一知っているロシア人ママは金髪じゃないな。
知り合いに金髪じゃないロシア人がいるってのに、ロシア人は金髪だと思い込んでる。
「ひとつの民族にもつイメージ」ってこわい。

イタリア人は陽気、とか、マグレバンはずるい、とか、日本人はまじめ、とか。
もう、ぜんぜん、そんなことないから。

陰気なイタリア人もいるし、義理かたいマグレバンだっているし、ふまじめな日本人、って、あ、オレ?

わたしはただただ子どもたちが色んな民族・国籍の人たちと混じっているのがうれしい。

















写真は2013年。ちびたちがまだちびだった頃。
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by kyotachan | 2018-09-07 00:50 | 文 化 教 育 | Comments(4)

敷かれたレールはない。

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大学のキャンパスへ行くのを楽しみにしていた長男。
オリエンテーションを終えて帰宅すると明らかに不満な顔をしている。

「どうだった?」
「うん」
「つまんなかった?」
「十五分で説明できるようなことを二時間もかけて説明された」

なるほどね。

「でもまあ、それが社会の現実よ」
「明日も似たような説明会が続くって」

大学の授業は百人単位の大教室の授業が基本で
出席の有無の確認は一切、ないらしい。

「夏休みまでは頑張りなよ。脱落する人は夏休み前にしちゃうもんだから」
「わかってる」
「それに大学を放り出すなら出すで、自分が何で食べていくのか、ちゃんと考えてよ。
勉強するのはその方法を探す機会なんだからね」

リセの勉強だってままならなかった長男のこと、大学の授業をおもしろいと思うのか。

意外にも長男が選んだのは文学部。
英語好きだから、なのかな。

友人のフランス人ママの息子は長男と同じく今年バカロレアだったのだけど
今年一年はまったく何もしないことに決めたらしい。

バカロレアの勉強で、ほとほと嫌気がさして、今年は何もしないことに決めたのだと。
ママ当人は学校の先生でかなり厳しい感じの人だから、この話には少なからず驚いた。

「わたしがあんまり厳しく言いすぎたものだから」
彼女はさっぱりした表情でそう言った。葛藤は相当あったのだろう。

日本とは決定的に違うのは、公立の大学には受験がなく、
入りたい大学はいつでも入れる、というのがあるのかなと思う。

今年は何もしないと決めた本人よりも、その意見を認めた親に頭が下がる。

いずれは自分の足で自分の人生を歩いてもらうために本人の意思を尊重した
ということなのだろうか。

そう思っているところに、もう一人、まったく同じ体験を話してくれたママがいた。
彼女の息子も、今年は何もしないことを決めたのだという。

そうか。
その選択肢はけっこうあるのものなのか?

敷かれたレール、的なものはないのかも。
レールも自分で敷きなさい的な。




















写真は2013年。こういうのが得意だったんだけどなー。
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by kyotachan | 2018-09-06 15:27 | 文 化 教 育 | Comments(0)

原因のあるところに結果あり。

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太った。

原因はわかっている。
ここのところ毎日食べているアイスクリームのせいだ。

よく熟れたバナナを凍らせておき、それをスライスしたものに
アイスクリームをそえる。暑い季節の最高級のおやつ。

アイスクリームはなんでも。
バニラ、ピスタッシュ、マンゴー。

食べても食べても体重が増えないのをいい気になって食べ続けていた。

太るときは、いつも同じことを思う。
やっぱね。そりゃあ太るに決まっているよね。

これを毎日食べれば太る、とわかっているのに
結果が出ないうちは「大丈夫、今日も体重は増えていない」と思う。

体質が変わってアイスクリームを食べても太らなくなったのかも。
ありえない仮定を思いつき、それを真剣に信じようとさえする。

結果は少し遅れて、でもちゃあんとやってくることは経験でわかっているのに。

ちゃあんと原因を作っておけば、結果は出る。
さあて新学期。あたらしい一年のはじまり。

















写真は2013年、サントロペ。
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by kyotachan | 2018-09-03 21:47 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(8)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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