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Fete de papa (フェット ド パパ = 父の日)


母の日』 があれば 『父の日』 も。 
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わたしにとって母親を語るのやさしい。 父親を語るのはむずかしい。 



わたしの父親は、大正十五年 (1926) 生まれ。 長崎県諫早市の教師のうちに生まれたらしいが、父親を三つの時に、母親を十九歳の時に亡くしたらしい。 父の母親が亡くなるときには、父がしもの世話もしたらしいよ、と一度わたしの母親に聞いたことがある。 らしい、らしい、て、自分の父親のことなのにね。 本人からはついに、父親の両親の話を聞くことは一度としてなかった。 
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これも母から聞いたことだが、父は 『職業軍人』 になりたかったそうだ。 父が生きていた時代には、そういう人たちがいたのだ。 戦争を職業として生きている人が。 だから、昭和二十年 (1945) に日本が戦争に負け、軍人になることをあきらめて、仕方がなく外科医となった父は、母に言わせると 『人生そのものが、挫折感にまみれている人』。 神様だったはずの天皇が、ニンゲンだったと言われ、軍人として、お国に仕えるはずだった自分は、不本意ながら医学の道に進んだ。 こんなはずではない、こんなはずではなかった。 若い父は、頭を抱えて悩んだ、のかもしれない。 まじめで純粋な、ニッポン男児。 ニッポン軍国主義の犠牲者。 
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わたしが父を避けるようになったのは、小学校四年生、あるいは五年生くらいだろうか。 父に胸のあたりをぺろん、となめられる。 けがをした指を長い間、執拗にしゃぶられる。 じゃりじゃりするあごのひげに、わたしの手をあてて、それをわたしが喜んでいると信じ込んでいる。 おそらく、それまでも、いつも父がやっていた行動を、ある日突然、うとましく感じた。 わたしのことが、かわいくてそうしたに違いない父親のこれらの行動が、突然許しがたい行動に変わった。 気にならなかったお酒くさい息が、急に気になりだした。 自分でもわけのわからないまま、父親を避けるようになった。 『親子の断絶』 とも言える状態は、成人してからも続き、父親と会話らしい会話をした覚えがほとんどない。
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わたしが生まれたときには、仕事の合間に産院へ来て、おむつをはずさせ、「よし、こりゃあ、間違いなし。」 と言って、女の子の誕生を喜んだという。医者になってから、病院で病室を回る時には、湯たんぽを準備して、冷たい手を温めてから患者さんを診たという。 注射をする時には、「痛いですよ。チクッ としますよ。」 と必ず声をかけたという。 
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「大丈夫ですよ。 おとうさんより絶対に先に死ぬことはありませんから。」
と言っていた妻を亡くした時の父の思いはいかばかりだったろうか。 その後五年間、生き続けた父は、毎日をどのように送ったのだろうか。 わたしたちが八王子にいたとき、たまりかねて、佐世保にいた父に同居を提案したことがあった。 ダーリンとも何日も相談し、ひと部屋、父に確保する覚悟をした上での提案だった。 すぐさま拒否された。 慣れ親しんだ土地を離れる気は毛頭ない、と。
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父には、充分やさしくすることができなかった。 ごめんなさいね。 「フランスに行くことにしたよ。」 と言うわたしの声に、顔をぐにゃりと曲げた。 
それが父親を見た最後だ。
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わたしのおとうさん
わたしのおとうさんはくまさんよりもっとくまさん
わたしのおとうさんはピエロよりもっとピエロ
わたしのおとうさんは王子さまよりもっと王子さま
わたしはおとうさんが好き
うふふ あのね そしてね
おとうさんはわたしのことを好き そして これからもずっと わたしのことが好き

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おとうさん、どうもありがとう。
Commented at 2007-06-23 16:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kyotachan at 2007-06-23 23:01
がきこめ さま
そうかー かぎこめさまのお父様はまだご健在なのですよねー うらやましいな
いま ここ に ある わたしの命 は 父親のおかげ なのだなー と 朝晩 気がつかせてもらっています 
え ? もう 生まれてきている ? そうですかねー そうだといいですが
Commented by kandamyojin at 2007-06-24 05:32 x
いい話ですね。多く、お父さんはお母さんよりも分が悪いらしい。かくいうこのお父さんもそう。自分ではなぜだかよくわからないのたが。でも、kyotachanのように、いつか思ってくれればそれはうれしいね。

最近耳が少し遠くなった気がしています。とくに電話ではそうで、この間も孫からの電話で、「アサガオが大きくなったよ」といわれたのに、アセモと取り違え「それじゃあ痛いだろう」とトンチンカンに答えて、みなの顰蹙をかいました。


Commented by kyotachan at 2007-06-26 18:17
現役おとうさんにいい話だと言ってもらえるとなんだかおもはゆいです ありがとうございます
kandamyojin さんはお孫さんをあずかったりされているでしょう? わたしの父は長兄のお嫁さんが三人の孫(男男女)をつれてきた時 「うるさいから 帰りなさい」 と言ったことがあるのです こういう冷たい血をわたしはひいてしまっているようです
耳が聞こえにくい? そうですねー 母はずいぶん 若いときから 聞こえにくいようでしたが 父は耳だけは丈夫でしたねー ドアが立てるカチャリという音も聞こえていたようでしたから でも 聞き間違えというのは 誰にでもあるのですから そうお気になさらぬように ユウチャンのブログ 待っていますよ
Commented by peixe at 2007-06-27 11:39
ただいま~かえって来たよ
色々心配おかけしました でもkyotacyanの心遣いがすごくうれしかった ありがとうね

私も父が高校生の時に亡くなって最後に会った時に声をかけ様かと思ってかけずじまいだったので後からすごく自分を責めたりしました
今となってはすごく大きな存在だったなと改めて感じます
なのに母とは上手く付き合えない私 成長しません
Commented by bebecat at 2007-06-27 17:36
最近いないね、元気してる?
Commented by kyotachan at 2007-06-27 17:43
peixe さま
おかえりなさーい おつかれさまでしたー B級グルメ 楽しんできたかな?
そうかー peixe さんは お母さんがまだ ご健在なのね ? いいなあ うまくつきあえない て 言える peixe さんが うらやましいよ わたしは 今でも 母親の胸の中でなきじゃくりたくなる ははは 成長しません 
Commented by kyotachan at 2007-06-27 17:45
bebecat さま
えへへ 最近 いないでしょ ちょっと なかだるみ
て ほんとうは 夫が一週間 休みとっていて PCに向かえない状態 なのだー ま これをいい機会に 家の中でもきれいにしてみっかなー て感じよ そっちは パン屋さん 続いているねー いいにおい してまっせ
Commented by bebecat at 2007-06-27 17:49
じゃあ、ご飯の写真とかためといて、また来週にでも見せてね。
楽しみにしてるよ。あ、リクエスト、、、むりならいいけど、今度パン屋さんの写真、どんなパン売ってるか、観たいなあ。
って写真撮るのどんだけ恥ずかしいか、、、こっちも同じだからね。出来れば、、、でいいよ。
Commented by kyotachan at 2007-06-27 17:53
bebecat さん
あはははは そうなんだよねー 近所のお気に入りのパン屋さんでさ ときどき 写真 とったりしているんだけど ほんとーに おいしいのにさ ぜんぜーん おいしそうに 撮れないの くやしくて 載せられない
ほんと はずかしーんだよねー なんだ この ニッポンザル こんなもんまで 写真に撮りたいのかー て 顔 されちゃうからさー 
そのうち 実現 させられたらいいな
Commented by peixe at 2007-06-27 18:30
↑私も楽しみにしてる パン屋さんの写真
観光客の振りしてさ 私も今回外国なら食べたものの写真撮れたけど中々地元では恥ずかしくって・・・
京都駅で外国人女性がパン屋さんでビデオまわしてるとこに出会ったよ 見てる分には微笑ましいのだけれどいざ自分がとなるとね
Commented by bebecat at 2007-06-27 22:33
↑一緒一緒。観光客になりきって撮ってる私も。
そうだよね、日本でよりは私らの方がまだ観光客っぽいよね。
そっか、日本のみんなもがんばってるんだから、私もがんばって恥ずかしいなどと言ってないで、どんどん写真撮る。
Commented by kyotachan at 2007-06-29 00:04
peixe さま
え ? ほんま ? パンや 見たいの ? そっかー 
そうなのよー 地元 だからねー はずかしいのだよねー
でも がんばるわ 期待しないで 待っててー
Commented by kyotachan at 2007-06-29 00:05
bebecat さま
『観光客になりきる』
これですね 観光シーズンだし がんばって み ま す
by kyotachan | 2007-06-20 17:52 | 五 人 家 族 | Comments(14)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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