香水を買った帰り、
お腹も空いたしバスで帰ることにする。
雲が出てきてなんだか急に寒い。
バス停に向かうと今まさにバスが発車しようとしている。
大きく手をふってバスに向かうと閉まっていたドアが開いた!
「うわー!ありがとうございます!
こうして止まってくれる運転手さん、珍しいんですよ」
小雨が降り出したことあって、本当にうれしくて言ってしまう。
運転手さんはロマンス・グレーのやさしい目をしたムッシュー。
ちょっと困った顔になったかと思うと
「あのね、あなたのことは見えてなかったの。前の方からこの人が走って来たからだから止まったの」。
言われて振り返ればそこには若くて美しい女性が!
「あら!あなたのおかげだったのね!」
美しい女性はただ笑っている。
「いい日曜日になりますように!」
ムッシューへそういうと
「あなたもね」と返ってきた。
発車しようとしているバスに乗れなかったことは何度もある。
でもね、でもね、それでもね、年をとるって悪くないと思う。
いい方へ向かっている気しかしない。
雨が上がってまた晴れてきた日曜日。



