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敷かれたレールはない。

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大学のキャンパスへ行くのを楽しみにしていた長男。
オリエンテーションを終えて帰宅すると明らかに不満な顔をしている。

「どうだった?」
「うん」
「つまんなかった?」
「十五分で説明できるようなことを二時間もかけて説明された」

なるほどね。

「でもまあ、それが社会の現実よ」
「明日も似たような説明会が続くって」

大学の授業は百人単位の大教室の授業が基本で
出席の有無の確認は一切、ないらしい。

「夏休みまでは頑張りなよ。脱落する人は夏休み前にしちゃうもんだから」
「わかってる」
「それに大学を放り出すなら出すで、自分が何で食べていくのか、ちゃんと考えてよ。
勉強するのはその方法を探す機会なんだからね」

リセの勉強だってままならなかった長男のこと、大学の授業をおもしろいと思うのか。

意外にも長男が選んだのは文学部。
英語好きだから、なのかな。

友人のフランス人ママの息子は長男と同じく今年バカロレアだったのだけど
今年一年はまったく何もしないことに決めたらしい。

バカロレアの勉強で、ほとほと嫌気がさして、今年は何もしないことに決めたのだと。
ママ当人は学校の先生でかなり厳しい感じの人だから、この話には少なからず驚いた。

「わたしがあんまり厳しく言いすぎたものだから」
彼女はさっぱりした表情でそう言った。葛藤は相当あったのだろう。

日本とは決定的に違うのは、公立の大学には受験がなく、
入りたい大学はいつでも入れる、というのがあるのかなと思う。

今年は何もしないと決めた本人よりも、その意見を認めた親に頭が下がる。

いずれは自分の足で自分の人生を歩いてもらうために本人の意思を尊重した
ということなのだろうか。

そう思っているところに、もう一人、まったく同じ体験を話してくれたママがいた。
彼女の息子も、今年は何もしないことを決めたのだという。

そうか。
その選択肢はけっこうあるのものなのか?

敷かれたレール、的なものはないのかも。
レールも自分で敷きなさい的な。




















写真は2013年。こういうのが得意だったんだけどなー。
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by kyotachan | 2018-09-06 15:27 | 文 化 教 育 | Comments(0)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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