ブログトップ

nice!nice!nice!

夏になると思い出す。

f0136579_00480356.jpg

時々、ふと思い出す事件がある。
わたしは日本にいて母親になって間もないころだった。

ふたりの子どものお母さんが、子どもたちを二時間、車の中に置き去りにして、
そしてふたりとも熱中症で亡くなってしまうという事件だった。

そのお母さんは最初「家のそうじをするために子どもたちを家から追い出したかった」と言い訳をした。

それをニュースで見たか新聞で読んだかしたわたしは、
「二時間もかけて家のそうじをしただなんて、よっぽどきれい好きなお母さんなのだな」
と思った。

子どもが小さいころは今よりも一生懸命そうじをしていた気がする。

子どもはどこへでも四つんばいではいずりまわり、なんでも口に放り込む。
一度食事をすればテーブルの周りは食べ物のくずで汚れしてしまう。

そうじをすることは当時は日々のたたかいのようなものだった。

水周りからはじまって掃除機をかけ、そして水拭き。
丹念にそうじをしても、それでも一時間あれば充分できるのにと思ったのだ。

そして翌日かにその事件の追記があり、そのお母さんは実は二時間、パチンコ店で過ごしていたことが判明したのだった。

「ああ、そうかあ。そうだよねえ。二時間パチンコだったらよくわかる」

わたしはそう腑に落ちた。

二時間そうじをするために、よりも二時間パチンコするために子どもたちを車に置き去りにした、というほうがよっぽど納得がいく。

家の中は危険がいっぱいだし、公園はもっと危ない。
車の中だったら安全だ、と思ったのだろう。

夏の車の中がどんなに熱くなるかは考えなかった。
それとも十分で戻るつもりが、つい二時間になってしまったか。

と、ここまで思い出して、対になって思い出すもうひとつの話。
はじめて赤ちゃんを生んだときに母親が言ったのだ。

「扇風機は赤ちゃんを脱水症状にしやすいからクーラーを使いなさい」。

母親がいう「むかしの話、でも実際にあった話」として

「若い母親が赤ちゃんに直接扇風機を当てて寝かしつけたところ、赤ちゃんが脱水症状を起こして死亡した」、ということがあったらしい。

その他にも
「泣き止まない四ヶ月の赤ちゃんを母親が殺してしまった」という事件もあった。

色んな理由で子どもを殺してしまう母親の話は、
わたしに同情の気持ちは起こさせることはあっても責めたてる気持ちが起こることはない。

このお母さん、つらかっただろうなと思うだけだ。

















写真は2013年、三女。
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ









[PR]
Commented by julia at 2018-08-31 20:41 x
昔森瑤子さんのエッセイに、小さい子供のいるお母さんが子供達を寝かしつけてほんの一杯飲みに行ってすぐ戻ったところで消防自動車が自宅方面へ走るのを見て慌てて戻ったらうちが火事になってて全てを失ったと書いてて、ほんの少し日常から離れて息抜きしたかっただけなのに恐ろしいなと書いてて、印象に残ってた。
Commented by kyotachan at 2018-08-31 22:56
> juliaさん
ほんとうに、おそろしいです。
子どもたちが死んでしまって明るみに出るケースよりも、子どもたちの命が助かって表に出ないケースはどのくらいあるのだろう?小さい子どもの世話の毎日ってほんとうに息のつまる時間だと感じて当然だし、どこかで息抜きをしないと親の精神が正常に保てないと思う。
フランスってベビーシッターの文化が発達しているせいか、一週間や二週間、子ども、それも赤ちゃんのうちから家族や他人に預けて夫婦で旅行、なんてことを定期的にやっている人たちがたくさんいる。わたしは365日、子どもと離れる日なんてなかったなあと思う。夫がかなり協力的だったから乗り切ることができたのかもしれない。子どもたちが離れてしまうとあんな時間、あっちゅーまだったなあと思うけどね。
by kyotachan | 2018-08-31 00:53 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(2)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31