Laëtitia レチシア

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バイト先で十一時半近くになると近所のパン屋さんへバゲットを調達しに行く。
レジにいるのがレチシア。

その界隈ではかなりの人気店らしくレジの前に十人ほどの列ができていることはめずらしくない。

パンを予約する人も多くて、
「明日のこの時間に塩抜きのバゲットを二本お願いね」
「この日に孫たちが来るのよ。ピザを注文しておきたいんだけど」
などと客に注文され、それをノートに書きつけたりしている。

わたしはその列の間をぬうようにして進み、レチシアにひと言かけてから半地下の工場をのぞく。

向かいには大きな冷蔵庫、右手にはバゲットが何本入るのだろう?大きなオーブン。
左手にはお菓子作りの職人さんが小麦粉を計量している。

短い階段の下にはたいていバゲットが二十本ほど入るプラスティックの箱が一個か二個、スタンバイしている。
わたしは下に降りてご主人のステファンにあいさつ。

夫はパンを焼き妻はそのパンを売る。
このパターンのパン屋さんはけっこうある。

箱を持って店のほうへ上がり、そこからバゲット数本を取り出して大きな紙袋に入れてお礼を言うとすぐに退散する。
支払いは二週間に一度、まとめてすることになっている。

いつだったか、バイトの帰り道にお腹がすいてパイ生地の中にお砂糖で煮たりんごが入っている菓子パン
(chausson aux pommes ショッソン・オ・ポム、直訳するとりんごのスリッパ!)を買いにレチシアの店に寄った。

きっちりと勘定して小銭を受け皿に載せると、レチシアがあわてて
「あら、これはもらえないわ。いつもパンを取りに下まで降りてくれるから」
と言ってお金を返してきた。

そんなこと言われてもわたしもただでもらうわけにもいかないから菓子パンをつかんでお店を脱出したら、
レチシアが走ってわたしを追いかけてきた。

逃げ続けるのも大人げないかと思いなおし、ありがたくごちそうになることにした。

正直にいうと、とってもうれしかったのだけど、
レチシアがレジにいるときにはもう、立ち寄れなくなってしまった。



















写真は数年前に焼いたガレットデロワ。
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ショッソンオポムもたいていこんな三日月形。







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Commented by dangomama46 at 2018-01-12 09:22
レシチアさんって 正直な人だねー 忙しいのに、わざわざおカネをもらえないって返しにきてくれるなんて。地下に取りに行くだけでタダになるの?
Commented by kyotachan at 2018-01-16 00:06
だんごさん、
いや、えーとあの。そういうわけではないのです。話がうまく、伝わらなかったかな。涙涙涙
by kyotachan | 2018-01-12 02:07 | お は な し | Comments(2)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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