2015年 10月 01日
garçon ギャルソン/ 少年4
ニースマタン(ニース地方・地方日刊紙)
十二月二十七日朝刊
昨二十六日午後、サン・ジョン・キャップ・フェラの海岸で
散歩中の五歳男児 フランソワ が高波にさらわれておぼれて死亡した。
一緒に散歩中だった兄のマテオ(十五歳)も同様に高波にのまれたが、
こちらはコンクリートの突起につかまって無事だった。
後方を歩いていた母親のコリンヌ・デュマルタン(四十二歳) の叫び声で
ジョギング中の夫婦 フィリップ・ヲルフ(六十八歳)、ヴェルジニ・ヲルフ(三十五歳)が事態に気づき
救急車、および、パトカーに早期連絡があった。
救急隊員によりフランソワは応急処置をほどこされたが、すでにその息はなかった。
マテオは精神的なショックもあり、収容先の病院で治療中だが命に別状はない。
事件場所はジョギングコース、散歩コースとして知られており、
当時もクリスマス休暇を家族で過ごす人たちでにぎわっていた。
事件のほぼ全貌を目撃することなった近所の住民、カミーユ・カルポンチエ(七十五歳)は
帰省中の娘夫婦と孫と一緒だったが、
「突然、見たこともないような波が打ち寄せて、思わず孫を胸にかきいだいた。
壁の向こう側を人が歩いていたなんて信じられない」
と話した。
ジョギング、および散歩コースと海側はコンクリートの壁で仕切られているが、
母親のコリンヌとふたりの息子たちは
『危険につき立ち入り禁止』
の立て札のある、コンクリート壁の内側を歩いていた。