2014年 02月 10日
préfecture プリフェクチャー/ 県庁
週間天気予報では雨は今日でひと区切り。
今日さえ乗り切ればしばらく雨マークとはさようなら。
そんな月曜日の朝、わたしは県庁へ。
在仏十年。十年カードも更新だ。
県庁へ行く前に子どもたちを車で学校へ。
今朝、長い時間トイレに入っていた次女が青い顔をしていう。
「お腹痛いんだけどな」
「今朝、うんち、出た?」
「うん」
「かため?」
「ううん」
「ふつう?」
「ううん」
「やわらかめ?」
「うん」
「どうする?今日は休む?十時や十一時に学校から連絡もらっても迎えには来れないよ」
「……休む」
三女をいったん家に連れ帰る。
今朝は長女も風邪でダウンして家で寝ている。
わたしも数日前から風邪気味で頭が痛い。
頭痛薬を飲んで再出発。
雨はかなり強く降り続いている。
高速道路は混んでいた。
のろのろと進み、県庁に到着したのが九時四十分。
九時前には着くつもりだったからかなりのロス。
十年カードの申請コーナーにはわたしの前に約十人。
まずは収入印紙を購入。260 € 。(三万円弱)
並ぶこと約一時間。
どこの国から来た集団かわからないが
四、五人の男性グループが前にいて
かわりばんこにコーヒーを飲みに行ったりなんだかで
そこで列がなかなか進まない。
ようやくわたしの前の人の番。
ベビーカーをひいた女性とそのおかあさんらしき人。
想像ではチュニジアかアルジェリアかその辺り。
親子かな?と思ったけど、
義理のおかあさんのようだった。
申請者はおかあさんのほうで
字を書けないおかあさんを助けるために嫁がついて来たということらしい。
「生年月日、いつだっけ」
「生まれた場所、どこだっけ」
お嫁さんがおかあさんに聞いて書類を埋めている。
「わたしは三十五年もここにいるんだから」
というおかあさんの声が聞こえる。
ようやくわたしの番になり、準備してきた書類をついたての向こう側にすべらせる。
とたんに職員の女性が両手を大げさにあげて言う。
「すばらしいわ!わたしは何の説明をする必要もない!」
わたしは友人にもらった「必要書類リスト」をそろえてきただけだ。
何度も何度も確認はした。
何度も確認して来ても書類の一枚が足りない、と言われそうな気がしてここへ座るまでは緊張していた。
「ああ、日本人ね。驚かないわ」
マダム職員は始終にこやかで、あっという間に手続き終了。
次の窓口で再度待つ。
隣には「学生専用窓口」があり、チュニジアの学生らしき男性が
ついたてのをはさんでもうひとりのマダム職員とけんけんがくがくの口論中。
会話の端々からはチュニジアの学生が 180 € の罰金を背負っていること、
しかしながら 40 € しか払っていないこと、
それでも書類はすべてそろっているのだからカードをだしてほしいと訴えている。
正義を訴えているならまだしも不正義を声高々に訴えるあたり
「これくらいじゃないと生きていけねーんだよ」
と教えられている気分にさえなる。
ずいぶん長い時間マダム職員も付き合っていたけれど
とうとうチュニジア学生、頭から火をふきだした様相で立ち去った。
そういえば、シャッターの閉まる直前にふらふらと入ってきた男の子は
どこの窓口にもならばずに椅子に座ってのんびりとかまえているけれど、大丈夫なんだろうか。
気にするともしないともいう気持ちでなんとなく見ていたら
そのチュニジアの学生の去ったあとの窓口で問い合わせている。
「スリランカ……」
と聞こえたからスリランカからの留学生か。
こちらは口論に発展することもなく
「その受け取りはここじゃなくて向こうの窓口。一時半から受付」
とマダム職員にぴしゃりと言われている。
推定でチェチェンの人たちかなと思う「おかあさん・息子・嫁」の三人組が
カードの住所変更をしにやって来ていた。
写真を撮るのに「顔のスカーフは全部とって。目をちゃんとだして。笑っちゃだめ」
とマダム職員が指示を出している。ああ、なんて親切な人なんだと思う。
さて、わたしの番。
書類の二箇所にサイン。
両手の指紋を器械にとらせる。
終了。
三週間からひと月後、県庁からのお知らせを持ってカードを受け取りに来る。
十年に一度だと思えばこの日も人間観察の日と思える。
びっくりしたのが、十年前に県庁の受付カウンターに座っていたおじさんが
今回も当時と同じ顔、同じ態度で同じ場所に座っていたこと。
車椅子に座っていて、めがねをかけていて、すかすかの汚れた歯がにか~っと笑う顔からこぼれ落ちそうなおじさん。
忘れもしない、十年前、ニースに着いたばかりのわたしに、このおじさんはにかっと笑ってこう言ったのだ。
「votre vie est belle, madame ? ヴォットルヴィエベェルマダム/ 奥さん、人生、楽しんでるかい?」
こんなに雪降ったのあまりい記憶に無いくらいです。一日降ってました。
私は関東の県に住んでいるんですが、昨年末、国際免許を取得しに発行される場所へ行って来ました。ここ数年は年一回の行事になりつつあるんですが、窓口は免許証の再発行の窓口と一緒なんです。
事前に証明写真を取れば、収入印紙買って、申込用紙の書き方教わって、書いて出せば、あとは待つだけ。毎年、人間観察してます。
入り口に来た外見と雰囲気で「海外で運転」かどうかがすぐわかります。
個人的な統計では、、「海外で運転」の人は必ず受付窓口に真っすぐ向かうんです。「紛失した」人は申請書を書く机にまっしぐらなんですよ。申込書、受付しないともらえないのに。面白いくらい、はっきりしてます。
他にも識別する条件がありますが。。
面白いですよね、人間観察
私もここに来てまだ1年。多くのものを見たわけではないけれど
国民性と言うか、宗教性からくるあれこれとちょっとした固体概念
を積み上げてるところだけれど、たまに“ステレオタイプね”って
言われる。だって、みたままその通りなんだもん。。
ただ、あくまでも大まかな感想であってみんながみんなそう
とは決め込んでない。色眼鏡で見ないようにとは心がけてまーす。
ところで、パリとニース。県庁も随分様子が違うようだね。
わたしだったら、何回も確認して、間違えるそんな
タイプです。
どきどきしてしまうでしょ。
このような国民性の違いは良く聞きますが
本当に、そんな感じなんですね。
みなさん、体調が今ひとつのご様子
お大事にして下さい。
いろんな国に行かれているようだから人間観察も慣れたもの?国際免許を毎年とってるってことは常に外国で運転する準備ができているってことですよね?すごいなー。そうそう、日本の雪のニュース、こちらでもやってました。
ココちゃん、
しばらくブログがとまっていたから病気かと思ったら試験だったんだね。勉強がんばっているんだなー。ココちゃんは確かに色んな国の人たちとつきあっている印象があるな。ベールかぶっている人と一緒にごはん食べたりしてたよね?わたしも「同じ人間」と思うほうだけど、でも、国ごとの人のもつ性質の傾向性、というのはあるかなあと思う。パリの県庁はどんな感じ?
kent さん、
わたしもそうなんですよ。なぜかどこか抜けてしまっているんです。だから緊張していたんです。今回は一発でオッケーがでてラッキーでした。「金はないけどカード出せ」という人、日本人にはいないかなあと思いました。○○人が、というの、好きじゃないんですけどね。今日は下ふたりがダウンです。雨ばかりで寒かったですからねえ。お天気も回復したし、明日は学校に行ってもらいます。
わたしもへんなところがフランス人化している気がしてちょっとこわいんです。日本へ行くとしたらちょとこわいなー。
こちらはモロッコ・チュニジア・アルジェリアが多くてトルコの人は少数派。でもわたしたちがいちばん好きなケバブはトルコ人のお店です。ガレットが違う、お肉が違う、おいしいんですよこれが!
とまとさん、
三十代つったら、はじめて子ども生んだ年代だ。今のほうがぜんぜん楽。たのしんでるかどうか?うん、たぶん、今のほうが楽しんでる。もちろん山とか谷はしょっちゅうだけど。
パリは国の地域毎に分かれているので決まった人種としか一緒になりませんけど、、話がこんなに尽きない場所もないですよね。
私はまだ10年ヴィザの一回目更新はしていないので、未知の世界ですが、、、もう本当に行くのは憂鬱な場所ですよね。
オフィシャルに公開されている必要書類を揃えて行っても、こういう書類も持ってこい、とかリストに書いてないものを持って再度足を運ばなきゃ行けなかったりして、、、。
無事に一回で済むなんて、さっすが!
物価が違うから そんなに高く感じない?
今 日本のパスポートが 214ユーロ。
(この間更新しました。)
で カード。 2000年は無料だったのに 2010年に 20ユーロ取られて びっくりしたんだけど。
夫のは 10ユーロ。 これも2000年は無料だったのに。 って せこい。
この間 母のカードの更新に行ったら ほとんど人がいなかった。
仕事ないから 外国人いなくなっちゃったみたいです。
働いてるのは スペイン人もいるけど モロッコ人とかアラブ系の人 中国人も。
アラビア語とか中国語で説明してる。
公務員だから きっと国籍はスペイン人なのかもしれないけど。
高い高い。ものすごーく高く感じるー。お金がないとカードの更新もできないよ。
フランス人の身分証明書の印紙代はどうだったかなあ。たぶん、10、とか、20、とかじゃないかな。一緒だね。
お母さん、歩くようになってよかったね。足がいちばんだいじだね。歩けば、頭も動く。気分も変わる。