2010年 11月 24日
tu t'en souviens, maman? チュトゥンスヴィヤンマモン/ お母さん、覚えちょる? <6>
お母さん、覚えちょる?
わたしさ、一回、たばこ吸いよるとこ、
もろに見つかってしもうたんよね。
あれ、いくつの時やったんかなあ。
ふたりの兄ちゃんたちはもう
家におらんやったから、
わたしは高校生くらいか。
お父さんはもともと
水色のパッケージの「ハイライト」やったけど
いつ頃からか
グレーのボックスに入った「峰」ば
吸うごとなっとらした。
峰は居間の引き出しのいちばん下に
いつもワンカートンかツーカートン分
買いだめされて入れられとった。
買ってくるとはいつもお母さんやったね。
わたしは引き出しに入っとる
開封された峰の箱から
一本とか二本抜いて
こっそり吸うことば覚えてしもうた。
ココアの入っとった缶を灰皿にして
オルガンの足踏みのところから手を入れて
中の空洞にかくしとった。
オルガン、引越しのときに捨ててしもうた
と思うとったけど、引越しのときも
ちゃんと持ってきとったんやね。
たばこの匂いでばれてしまわんごと
おらんごとなった上の兄ちゃんの部屋で
吸うごとしとったとに
その時は引き出しの中に入れとったんを
自分の部屋で吸いよったんよ。
たばこ一本を、
一回で吸いきることができんで
数回に分けて吸いよった。
ガラッ
て部屋のドアのあいたとき
心臓のとまるかと思うたよ。
わたしはあわててたばこを引き出しにつっこんだ。
後ろを振り返らんでも
部屋に入ってくるとは
お母さんしかおらん。
煙のもうもうしとったけん、
こりゃあもうだめだ。
一巻の終わり。
そう観念して、どっくんどっくん鳴る心臓の音とともに
お母さんのどなり声なり、びんんたなりを待った。
そしたらお母さん、
手に持っとった洗濯物を
わたしのタンスにしまって
ひとことも言わんで
わたしの部屋から出て行ったよね。
あれえ?
なんでえ?
てわたし、なんか鉄砲玉でも食らったハトのような気分やった。
もうもうしとった煙の
目に入らんやったわけはなかとに。
お母さんが病気になって
一日中ベッドで過ごすごとなってから、
わたし、
この時のことをお母さんに言うたよね。
「あの時は知らんふりしてくれて
ものすごーくありがたかった」
そしたらお母さん、
「へーそげんことのあったかねえ」
て言うたよね。
お母さん、ほんとうに覚えとらんやったと?
わたしは今でも
あのときお母さんは
覚えとらんふりをしてくれたっちゃないかなあ
てそがん気のしてならんとよ。
子どもの悪事を見逃す。
わたしは
お母さんのごと上手にしいきるかどうか
まるで自信のなかなあ。
この、、、ふ、不良めが、、、っ。>いやほんとにもう。おはずかしい。
あああの時からかなりの脳細胞を殺してしもうたなあ。たばこをやめてようやく十二年。
おばあちゃんになったらまた吸いたい。>ほえ?不良むすめが不良ばあちゃんになるとけ?
恐れ入ります。
ウソだよーん。
まあ、青少年には、色々あるわね。
それにしても、お母さんのその対応、やっぱり、只者では、ない!って、感じ。母として、一体、そこでどう対応するか?!
よね?・・・そんな凄い技は、体得できそうにないわぁ・・・。
私の初体験は近所のキャベツ畑でカレントを一服。
猛練習ですから何本も吸った。19の時でした。
それからしばらくはチェリー。
その後はずっとハイライト。止めるまでハイライト。
欧州ではゴロワーズブルーですね、これもずっと。
タバコには無縁で経済的と思います。健康には気をつけましょうね。
家族は皆禁煙者になりました。
長男が大学で地方にいたころ夏休みに「おいで」と言われいそいそ行きましたが喫煙は見え見え、私は別に非難する気もないのに必死で痕跡を隠そうとしているのがこれも見え見え・・4日間位一緒にいたけど最後まで我慢してた様です・・・別にいいのにね、
怒られると思ったのかな・・。大学生になった男の子にそんな事で怒るわけないのに母親にはいつもなんか怒られるんとちがうがうかな、って思ってるのかしらね。
しかし母上はすごいですね。娘さんの子育て間違ってなかったこと今の生活見ればよくわかりますね。
あたしは母が亡くなってから(縁起でもないですが)
こういう手紙を書けるかな?こんなに色々覚えて
いるかな??って、若干不安になってしまいます。
母と色々な思い出が無かったわけじゃないのですが、
こんなに鮮明に覚えているkyotachaさんって
すごいなーと。
今フランスと日本で離れて暮らしているので、余計に
忘れかけていると思うのですが、もうちょっと過去を
思い出してみようと思います(過去を振り返らない
傾向があるので。笑)
覚えて無いことは無いと思うけど、そこで取り乱して叱ったりしないことで、子どもは道を踏み違えたりしないんじゃないかな?
九州弁?と言っても色々あると思うけどー良いねホンワカってしてて温かみを感じます。
爆!爆!爆!なんかそれ、たばこに嫌われてる?!でも百害あって一利なしなたばこですものね。ジュリアさん、ある意味なにかに守られているのかも。わたしは子どもたちが独立したら吸いたいなあ。きっとまずいんだろうな。
あら!わたしが不良だってこと、ご存知じゃなかったかしら。不良のまま母親になってしまったキョータです。
わたしもねえ、子どもたちの喫煙現場に出くわしたらどうするのか全く想像できないよ。コレージュの学生って結構いない?喫煙者?ドラッッグやってるって話もあるし。今のところ長女はそのへんのグループを避けているみたいだけど。あ!次女ちゃんが長女と同級なのよね?美しいケーキにちょっと、、、やけました。>やいてどうする!
猛練習!確かにたばこをかっちょよく吸う、のがかっちょいい、という時代がありましたよね。兄たちは一時期、わかば、という超マイナーな銘柄を求めて田舎の方へ足をのばしていました。田舎にしかないたばこ、て流通はどうなってるんでしょうね?今さらながら気になります。
高校のトイレでたばこ!!!きゃーっ!ヨウコさんにそんな過去があったとは、、、!笑
それって結構「不良」ですよね?だってわたしだって学校のトイレでたばこなんてしたことないですもん。
たばこは健康に悪いから吸わない方がいい。子どもたちにはここのところをちゃんとわかってもらうしかないなあと思っていますが、若くて健康なやつらに「健康」という二文字がどのくらい威力があるのか、、、。
わが家の場合、兄ふたりが高校時代、部屋で吸っていて、父親に見つかり「火事を起こされたらかなわんから吸うときは目の前で吸え」と物分りのいいことを言われ「かくれて吸うからおいしいのであって、親の前で吸うたばこなんてうまくもなんともない」ということがありました。わたしのおいたは結局おおやけにならずじまい。どうなんでしょうね?わたし、健全に育っているのかしら?
いやあそんなこと心配する必要はこれっぽっちもないよ。ウチの両親は晩婚だったしわたしは末っ子だし。
ユキさんはまだお若いのに違いないしお母さまだって健在でブログだってちゃんとチェックされてていいなあと思います。ユキさんがニースでしあわせに暮らしていることそのものがお母さまのしあわせにもつながるのだもの。きっと自分のムスメのことを誇りに思ってらっしゃるのだろうな。
昔って今みたいに育児がマニュアル化されていなくて、その家その家で育児の仕方がはっきりと違っていたような気がします。「こうしなくてはならない」というのが人が数だけあったというか。母もきっと手探りで子育てしていて、わたしは末っ子だったし、「ここはいっちょ目をつむってみよう」というところだったのではないでしょうか。
九州弁、通じています?ちょっと不安ながらみなさんのリクエストにお答えしております。笑
君のお母さんの懐の深さには、頭があがりません。
わはは!昔からM体質だったですね。それもいやいやと口ではいいながら身体はうそをつけないという。
これね、母のことを忠実に再現しているだけなんですけど、いやほんと、これってできないよなあってあらためて思いました。母は母でうろたえて何を言えばいいのかわからなかっただけ、なのかもしれないけど。