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こんなに遠目からでも「あ、いた!」てわかった。

エキサイト時代に仲良しになって、今はノートに引っ越しちゃった。
知る人ぞ知る、シノブワダ。基、ワダシノブ。イタリアのトリノ在住。

「明日、ニースに行くんだけど、会えるかな」
そんなメッセージが入ったのが去年の五月。

ニースの五月といえば写真を見てもわかるとおり、ほとんどの人ははだかで街を歩いている。
それくらい暑い、五月のある日だった。

ニースのホテルに着いたワダシノブとはじめて電話で話した。
顔も知らない相手だし、声を聞くのだってもちろんはじめて。
それなのになんなの?この、旧友と話しているような感覚は。

「だんなが、今日はかんべんしてくれって言ってるから~明日にしよっかな~」

イタリア人のご主人、超のつく、人見知りらしい。
なんとなく知っていたけど、まじでそうなのかよ!

「よしよしじゃあ、そうしよう」

翌日の日曜日に会うことになった。
電話が使えないから、メッセンジャーで、とぎれとぎれに連絡しあいつつ、海沿いで待ち合わせ。

こちら側はフランス人の夫がついてきた。
どうなるよ、会話に使う言語は?














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ワダシノブ、想像していた顔とは違ったけど、でも旧友に再会したような感覚はずっと続いている。

午前中にシャトーには登っちゃった~、というので、ヴューニースの中をぶらぶら。
時間はちょうどお昼時で、でも日曜日のお昼は知っているよさげなお店はどこもやってない!

歩きながらわたしとワダシシノブ、ふたりの天使たちとは日本語で、夫同士は英語で会話。
なんとかなっとるやないけ。

ワダシノブが描くご主人を見て、もっとひげもじゃらのじじいを想像していたのだけど、
実際は若くてかっちょいーやんけー。おいこら。ワダシノブ!










そして画面にう~っすらと登場するふたりの天使たちは
画面で見るよりも数倍天使度が高い。

姉天使の髪型にモエ~。
わたしはこのふたつに結えた髪型がどうしても好きなのだ。
五十を超えてもしたいくらい。

「きょうたさん、きょうたさん」って、姉天使、かわいすぎ!

弟天使がこれまた絵に描いたようなオトコノコ~。
海沿いの広い歩道を、あっちゅーまに見えなくなるまで走り去ってしまった。

「ワダワダ、人さらいは普通にいるっちゅー話だよ。見えなくなるのはまずいよ」

あわてるわたしに、余裕の笑いを見せるワダシノブ。

「姉天使、ほら、弟天使を連れてきておくれ」

わたしのあわてように走る姉天使。

ふたりして全速力でわたしたちのところへ戻って来る。
きゅん!

ほっとしているわたしの隣でワダシノブが言い放つ。
「いいもーん。さらわれちゃったらお母さん、またスーパーに子どもを買いにいくもーん」

!!!!!
なんてことを言うんだ、ワダシノブ!!!









ぷらぷら歩いた先にある、ニース料理のファーストフード店、みたいなお店でお昼を取った。
弟天使がいち早くいちばんおいしいお皿を自分のほうにひきよせた。
いいぞいいぞ。それこそ天使。

わたしは「トリノには無印があっていいなあ」みたいなことを言ったことがあるのだが、それを覚えていてくれたワダシノブから、なんと!
無印のノートとペンをもらった。涙。










そしてやはりワダシノブが行きたいのは美術館なのだった。

マティス美術館へ案内するも、その日は五月の日曜日。
あいにく五月祭りの真っ最中で、車を駐車するスペースがどこにも、ない!

すばやくあきらめてシャガール美術館へ。
わたしとはここでお別れ。

あ!今思い出したけど、シャガール美術館の庭で、
女優のTきわTかこさんがロケしていた。
写真を撮ろうとしたら、スタッフさんに止められてしまった(どうでもいい情報)。




白状すると、ワダシノブがノートへ引っ越してしまってからは
彼女のサイトをあまりのぞかなくなってしまっていた。

ノートってなんだか敷居が高くて、見方がよくわからない。
おまけにセミプロの集団サイトみたいで一歩引いてしまう。

今になって意を決してワダシノブのサイトを、それも「文章」というところを
できるだけたくさんクリックして読んでみた。

イタリアの日常生活、広島の生活、ヒロシマ、過去の自分、今、そして未来のこと。
けっこう色んなことを書いていた。
イラストだけが武器じゃなかったのね?

子どもの目の前で「お母さん、また子どもをスーパーに買いにいくもーん」と言えちゃうのも、
子どもを愛している土台がしっかりしているからなのかしら。

ワダシノブは感じている愛情をほらこれがワタシの愛情よ、という見せ方をかっこ悪いと思っているのじゃない?
あるいは逆に、ものすごく辛いことをわたしってもう辛くて辛くて、とことばにしてしまうのも嫌いなのだ。違うかな。

だけど行間から、イラストのはしっこから、そのワダシノブのからだの奥底~にある感情が、じわじわっとにじみ出ている。

人ってさあ!ねえ!こんなもんだよ、ねえ!

そうそうそう、きっと、ね。

読みながら思ったのがだから、
……、えー!なんだかめちゃくちゃおもいしろいじゃないのワダシノブ!

キミねえ、イラストレーターなんだからね、あんまりおもしろい文章を書くのはやめてよね(本音)。

また近いうちに会おう!
マティス美術館にも行かなくちゃいけないし!

















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<過去の会はこちら>
◎第一回
◎第二回
◎第三回
◎第四回
◎第五回
◎第六回
◎第七回
◎第八回
◎第九回
◎第十回







あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくおねがいいたします。












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# by kyotachan | 2018-01-02 00:08 | ひのえうまの会 | Comments(9)

essor エッソー/ 飛躍

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たいせつなものは目では見えない。
とか、
世界は見えるものだけでできているんじゃないんだ。
とか。

星の王子さまでなくても、そんなフレーズはよく耳にするし、いやほんと、そうだそうだ、そうだよねとその度に思う。

わたしは目で見えないものを信じたい。

わたしには数年前の三女のように跳躍する力も勇気もないと思うでしょ。
だけどね、その力も勇気も目に見えないのよ。

その力とか勇気を出すか出さないかは、わたしが決めるのでしょ。
明日、はもう来年だ!出したいなー。出そう。出すぞ。

目に見えない力とか勇気とかを!











ひとりよがりのつぶやきだらけのお役立ち情報ゼロのこんな場所に
今年もたくさん寄ってくださってどうもありがとうございました。

来年もわたしの大好きなこの場所で会いましょう。ね!

いい年の暮れと、ますますいい新年を!















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# by kyotachan | 2017-12-31 23:56 | 日 常 空 間 | Comments(0)

athée アテ/ 無神論者

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次女がコレージュ時代から仲良くしている友人ローズ。
リセは別々になってしまったけれど、今でもときどき会っている。

わたしは直接会ったことはないのだが、ふたりの遊びはもっぱら写真。
色んなところに出かけては二人で(自分たちの!)写真を撮っている。
というわけで、顔だけは写真でいやというほど拝見したことのある子だ。

次女と背丈は同じくらい。
次女よりもほんの少しぽっちゃりタイプ。
そしてにきびで悩む次女よりもさらににきびが多い。

ふたり並ぶと仲良しなのが一目瞭然。
もっている雰囲気が似ているのだ。










クリスマスが終わって、次女が今日はローズと会ってきたという。

「ローズは元気だった?クリスマスはとどこおりなく終わったって?」

子どもたちが友人たちと出かけた日には、なんとなく友人たちの様子を尋ねてみる、普通の会話だ。
そして次女の答えにわたしは心底、びっくりしてしまった。

Il n'y a pas de noël chez elle イルニアパドゥノエルシェゼッル/ あの子ん家にはノエルはないんだよ。

次女はそう言ったのだ。
 
ど ゆ こ と ???

わたしの育った家と同じってこと?
思わず聞いたのが、

「ユダヤ人なの?」

答えはノー。
わたしの周りのユダヤ人は、詳細な事柄はまったく知らないが、みなさん普通にクリスマスを祝っておられる。
だけど敬虔なユダヤ人はなんとなくお祝いしないようなイメージがあるのだよね。

「苗字は?」

グレゴワー。
こちらもイスラム系の名前とかではなく、一般的なフランス人らしい名前。
じゃあ一体、どういうわけでクリスマスをしないっつーの?

理由が知りたい理由が。

Ils sont athées イルソンアテ/ 無視論者だよ。

次女は涼しい顔をしてそういうが、いや、アテはアテでもクリスマスはクリスマスとしてさあ!

納得いかないわたしに今度は次女が、「じゃあ、ウチは仏教徒なんでしょう?なんでクリスマスするの?」ときた。

「それはクリスマスを宗教的な行事だと思ってないから。クリスマスは文化的な行事なの」。

そこで会話は終わってしまったのだが、わたしはやっぱり気になってしょうがない。
どういう理由で、というか、今のこの時代にフランスでクリスマスをしない、
というのはかなり強烈な決意というか決心というか信条というかポリシーというか、そんなものが必要ではない?

なんとなーく、やめとこっか、そうしよっか、て、そんな簡単な気持ちじゃあ、絶対にない。ないはず!

それに、そう決めたのは誰なの?
ローズのお父さん?それともお母さん?

お父さんの家にもクリスマスはなかったの?
それとも本人がそうしようと決めたの?

両親ともども、クリスマスのない家庭で育ったってこと?

ふたりが結婚をしたとき、そのヘンの葛藤というかいざこざというか、そんなものはなかったの?
親戚におよばれしたときにはどう対応するの?

今後、ローズが結婚したあとはどうするの?

うわーん、気になるーーー!!!
何もかもが、ものすごーく気になるーーー!!!

フランス人にとって、クリスマスは年間第一位に大切な行事、
そう信じ込んでいたわたしにとって、
クリスマスをしない家庭があることを知ったのは、そうとう衝撃的な出来事ではあった。

「で?ローズはぐちとかこぼさないの?クリスマスがないことに?」
「別に」。

これは、すばらしいと思うがどうか!
感動してしまうのだが、どうか!

















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# by kyotachan | 2017-12-29 02:23 | 文 化 教 育 | Comments(2)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族