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東京の会社で働いていたとき、Bさんという先輩がいた。

一見、ものすごく派手。
実際、ものすごく派手好き。
化粧が、けばい。
ヘビースモーカー。

当時のわたしと言えばまるこちゃんカットに生まれたままのまゆ毛。
ファンデーションのファの字も知らないいなかっぺ丸出しの女の子。

わたしとは正反対な人だったけれど
話をするのは楽しい人ではあった。

社員旅行があって、はじめて彼女のスッピンを見たときには、どきん、とするほど驚いた。

まゆ毛はほとんどなし。
肌はニコチンに焼けてくすんでいる。
目はほとんど一重で白目さえにごって見える。
口紅をぬらないくちびはどす黒く、同じくちびるとは思えない。

一瞬にして色んな情報が脳を刺激してきた。

本人にしてみたら年に一度、自分のスッピンを披露することを楽しみにしていのか、あっけらかんと笑っている。

わたしは同一人物とは思えないほどの彼女の豹変ぶりが恐ろしかった。

ほんとうの顔が、これっ?
まじでっ?まじでっ?まじでっ???
うっぞ======!!!!!

翌朝、いつもの厚化粧Bさんを再発見したときには心底ほっとしたのを覚えている。
ああ、よかったあ。
ほんとうにそう思った。
彼女のスッピンを見るのはわたしにはあまりにも辛すぎた。

あれからもう、三十年ほどが経とうとしている。
時々、Bさんのことを思い出す。
どうされているのかなあと。

不倫のはてに結婚されたと風のうわさに聞いた。
相手はわたしも知っている会社の設計部にいた人だ。

いや、わたしの気になるのはそんなことじゃなく、
Bさんは今もあの厚い化粧を自分にほどこしているのだろうか、ということなのだ。

当時はずいぶんと年上に感じたけれど今思えば年の差は数年だったはず。
つまり彼女は今、わたしと同じ五十代を生きているはず。










はがれる、ということがわたしはものすごく苦手なのだと最近気づいた。
化粧がはがれるのが苦手だから最初からそんなものはしないほうがいい。

口紅さえも、ぬれば少しは明るい顔になると思いながら
それのはがれたときのことを想像して、それさえも面倒くさい。

髪の毛を染めるのをやめてしまったのだって、それがはがれるときのみにくさに耐えられなくなったからだ。

髪の毛さえ白くなければもっと若く見えるのに、
長女にそういわれてどきん、とした。

そうなんだよね。
でもいつかははがれてしまうものだから。
わたしはこのままがいいの。

言い方を変えれば美に対する努力をまったくしない人だとも言えるかもしれない。
いや、きれいでありたいとは思うけど、はがれてしまうものを塗りたくるのは苦手なだけ。

ストッキングをはこうとしてささくれだった指に引っかかり電線させたことがある。
新品だったけれど、すでにやぶれてしまったそれをはく気にはなれず当惑した。
ストッキングが苦手なのも、同じような理由かもしれない。









若い人に圧倒的に多いのだけど電線したストッキングを平気ではいていたり
はげた口紅をさらして明るい笑顔をふりまいている人を見ると
こんな感じでいいんじゃないのお、という思いになることがある。
その一瞬先に、いや、わたしには無理、とも思う。

母親の生前、母親とBさんのことが話題になったことがある。

母親の友人にもBさんタイプがいるらしく、
「そん人、化粧しちょったら、びっくいするくらい美人やろもん」
と言う。

「そうそう、もうね、めちゃくちゃ美人なんよ。髪の毛も長くてさらさらで」
母親が即、共感してくれたのがうれしい。

「化粧、ったあ、言うたもんよね。化ける道具やもん」。

いやほんと、その道具を駆使できないわたしはある意味、人生の中でものすごく損をしているのかもしれない。

















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久しぶりに記事を書いたら、すっかり環境が変わってしまっている。
テンプレートの変更さえままならない。
使いにくい。慣れることはできるのか?





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# by kyotachan | 2017-03-05 20:37 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(2)









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およそ四ヶ月ぶりに美容室へ。

フランス人と結婚してフランスに住んでいるものとして
フランスへの不平不満はなるべく口にしないようにしている。

だったら自国へ帰ればいいじゃん?
と自分で自分につっこんでしまうから。

たいていのことには満足しているし、まあ、こんなものでしょ、と思う。
最近は日本という国のほうがよっぽどおかしいのではと思うことも多い。

しかし、である。

美容室の、それもシャンプー台に座るときだけは
ほんとうに、どんな美容室へ行っても、シャンプー台に座るときだけは
あああああ~~~~~もう~~~~~!!!と叫びたくなる。

おめーら、日本へ行って修行、し直して来ーい!

日本にいたころは、どんな美容室でも、首周りにきちーっとタオルを巻いて、その上にビニール製のカバーをきちーっと巻いて、
「苦しくないですか?」「だいじょうぶですか?」
としつこいほどに聞かれたものだった。

実際に「おいおい、きつすぎでっせ」と思うこともあったけれど、
カットが終わったあとに首の周りに髪の毛がじょりじょりすることを思えばそれも我慢できた。

こちらはうすっぺらの使い捨ての紙製のカバーを、カラダにふんわりとかけてくれるだけ。
シャンプーするときもそれ以上の何かで水にぬれるのをふせぐことは一切なし。

首の辺りから水がじゃぶじゃぶ浸入してくるのを感じる。
うわーぬれてるーぬれてるー完全にぬれてるー

シャンプーされながら思ったこと。、これはもう、なんていうか、

五歳の子どもが、ママ(←わたし)にシャンプーしてあげたくて、それはもう、どうしてもしてあげたくて、
しぶしぶそれを承知してしまい、ママとしては忍耐の忍の字をかみしめながらその時間をがまんしている感じ。

そしてシャンプー技術。
日本のそれはそれこそ、たいていの美容室では「そこまで?」なくらいにていねいにシャンプーしてくれた。
生え際、てっぺん、あらゆるところを洗髪マッサージしながら、最後にはかならず、
「おかゆいところ、洗いのこしたところはございませんか」
という今思えば、涙の出そうなことを聞いてくださっていた。

こちらのそれは、
とにかくもう、ぬらして、シャンプーぬりたくって、適当に流せばそれでオッケー!
いやもう、そう、五歳の子どもにしてもらってるから、しょうがないの、それで!

soin ソワン(お手入れ)、と呼ばれるサービスがあるのだけど、
ああ、これはもう、頭皮マッサージでしょう!と勢い勇んでお願いしたことがある。

ばかでした。
コンディショナーをぬりたくってくれるだけでした!

美容室を出て、帰宅後、まーっさきにすること、さて、それは一体なんでしょう?
……、首周り、背中、時にお腹、に落ちまくっている髪の毛をシャワーで洗い流すこと!



















道にコンフェチ(紙ふぶき)がちらばっていて、おや?こんなものが?と思ったら、カーニバルの季節だった!
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写真は二年前のもの。なんというかわいらしさ!学校はまた二週間のバカンスだって……。






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# by kyotachan | 2017-02-10 17:51 | た の し い | Comments(5)

poésie ポエジ/ 詩









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ソラ、は日本語でソレイユのこと
オカアサン、は日本語でマモンのこと
ラーメンは日本のおいしいスープのこと
アリガトウ我が家に生まれてきてくれて
(三女が十歳になったときのカード)

文豪の書く詩のなんとうつくしいこと!











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ソラにはお兄ちゃんがいてよかったね。




















おそれいります、自称文豪でございます。
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# by kyotachan | 2017-02-07 17:42 | 六 人 家 族 | Comments(5)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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