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イタリアのショーウインドーで「かわいーなーほしーなー」と思って眺めたサンダルたち。
いつのまにか、ブーツが並ぶ季節になってしまっている。今朝は寒いっ!

玄関の内側に「靴脱ぎ場」があって、家の中がしっかりと「土足厳禁」な国。
そんな清潔な国って日本のほかにあるのだろうか。

今朝、土足で風呂場に入り、歯をみがいている長男を、長女が怒鳴りつけていた。
「白いタイルがあんたの靴で真っ黒になっちゃうでしょう!がやんがやんどやんどやん云々!」

長男の声がしなかったので、ああ、お姉ちゃんに怒鳴られてしゅんとしたかな、
と一瞬でも思った母は甘かった。

なんのこたーない。
姉のことばは馬耳東風。

そ知らぬ顔で歯をみがき続けている弟なんだった。

冷静になってみれば
「わかったよ。オネエチャン。ぼくもう、土足で風呂場に入ったりしないよ」
なーんて長男が言ったりしたら、気持ち悪いもんね。






















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by kyotachan | 2015-10-16 16:33 | 日 常 空 間 | Comments(10)










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明日、金曜日の夕方から子どもたちの学校はバカンスに突入。
子どもたちは数日前から「ああ、金曜日の夜にはバカンスだ」と指折りその日を数えている。

こちらでは学校がひけた時点でバカンス突入。
そしてバカンスの終了日も二週間後の日曜日ではなく、あくまでも学校のはじまる月曜日の朝まで。

めいいっぱい、バカンス楽しんじゃうもんねーって感じがものすごくフランス的。

実際に学校がひけたその足で旅行へ出かける人だっている。
そしてほんとうに月曜日の朝、旅行先から直接学校に行く人だっているのかも。

学校は金曜日までだからバカンスは土曜日から始まって、二週間後の日曜日に終わる。
これはものすごーく日本人的な頭で考えるバカンスの数え方だなあと。え、わたしだけ?

あなたの頭の中ではバカンス、どう数えますか。






















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by kyotachan | 2015-10-15 16:30 | 文 化 教 育 | Comments(4)

poignet ポワニエ/ 手首











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左手首を痛めた。

一週間前の日曜日のことで気がついたら痛かった。
何をどうして痛めたのかがとんとわからないのだが
重たいものを持ったわけではなかったからおかしい方向にひねったのかもしれない。

普段はまったく意識していない左手首を
わたしは色んな風に動かして生活しているんだなあということに気づく。

水道の蛇口をひねるのも痛い。
片手鍋を持ち上げるのも痛い。
シャンプーするときも痛い。

これは痛いだろうと思う動作が痛くなく
これは大丈夫だろうと想像する動作がびくん、ときたりする。

筋肉痛のクリームをすり込んだりもしてみたが効果のほどはわからない。

痛いな痛いなと過ごして一週間。
やっと痛みが消えた。

痛めてわかる手首の仕事。
カラダのひとつひとつがだんだんといとおしくなる。



















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by kyotachan | 2015-10-14 16:29 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(5)

enfant アンファン/ 子ども









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子どもの部屋から変な音がしている。
アラームのような。

不審に思って部屋に入るとそれは三女のスポーツ用のかばんの中から鳴っている。
コレージュに入ると同時に父親に持たされている携帯電話だった。

持たされたものの、「わたしはいつもユイ(次女)と一緒でひとりになるときなんてない」
と結局は携帯することはなく、携帯電話の機能をまったく果たしていない。

夫はすでに帰宅していた。
「ああ、今、三女の電話にかけた?」
わたしが聞くと「かけてないよ」と言う。

わたしたち両親以外に三女に電話する者?
夫が電話に出ると、相手は次女だった。

三女とはぐれた、と言う。

「イヤホンで音楽を聴いて歩いてた。気がついたらソラがいない」
とかなんとか言っているらしい。

夫は「イヤホンのくそったれめが」と怒鳴る。

ちょうど、ダンス教室に出かけようとしていた長女がとっさに出て行った。
その後を頭を噴火させた夫が追う。

その日は金曜日で長男もすでに帰宅しており
わたしは長男とふたり、ぽつねんと家に残された形になった。

三女が後からやって来た車に無理やり乗り込まされ、どこかへ連れ去られ、そのまま売りにだされる。
あるいは、
それとも、
いやそんな、

十五分は待とう。

そう思いつつ十分経ったところで我慢できなくなり夫の携帯に電話するも、出ない。
窓から外をうかがっていた長男が「あ、ソラだ、ソラがいるよ」と叫ぶ。

ああ、ほらね、やっぱりなんでもなかった。
わたしは上に向かって目に見えないなにかに感謝する。

歩きながら口論になって、お互いにお互いを見ないようにして歩いていた。
そして三女のほうが歩く速度が早くてずっと家に近いところにいたらしい。

夫が次女に「三女のことはおまえの責任だからしっかりしろ」としかりつける。
泣きながらベッドにふす次女。

わたしはベッドに同じように寝ころんで次女の後ろからぎゅうっとする。

「ソラのことはユイの責任なんかじゃないよ。ただ帰るときは一緒に歩こうよ。
ユイはちいとも悪くない。携帯電話を持っていなかったソラのほうが悪い。
ユイはソラがいないのに気がついてすぐに電話かけたんだもの。えらいえらい」。

子どもが無事だったらわたしはもう、なんでもいいんだった。


















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by kyotachan | 2015-10-13 16:38 | 非 日 常 事 | Comments(3)









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これはイタリアのレストランで食べた牛のカルパッチョ。
上にのっているのはチーズとレモン。

お肉の下にグリーンサラダがかくれている。
食べるときにはパルメジャンチーズをかける。オイシー!

カルパッチョのお国だからなのか、
イタリアのスーパーにはニースでは見かけない豚肉の薄切りも売っている。

お!と感動して買ってはみたものの
この十年、「豚の薄切り肉」をあつかっていなくって、どうあつかえばいのかわからなくって
かなり長い間、冷凍庫で眠っていた。

昨日、「この肉もそろそろ食べてやらねば」と何を作るかは全く決めていないのにとりあえず解凍。
きれいなピンク色の豚肉ちゃんをまな板の上に並べていたら、これはもう、「しょうが焼き」以外にはありえないと気がついた。

子どもたちは「こんなの初めて食べた」と言う。
いやほんと、おフランスでお初の豚肉のしょうが焼きだったかも。
感動的においしいものの写真っていつもない。撮ってる場合じゃないから。

ロティ(丸焼き)もいいけど薄切りもいいなあ。
スライサーがほしくなる。
いや、またイタリアに調達しに行けばいいか。




















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by kyotachan | 2015-10-09 16:31 | お い し い | Comments(4)









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わたしがことばとしてわかるのは日本語と英語とフランス語。

日本の商品やお店の名前にフランス語を見つけて「えー!」と思うことがたまにある。

最近見つけたのが congés payés コンジェペイエ。
確か洋服のメーカー名だったか。

意味は「有給休暇」。
どういういきさつでこのことばを選んだのかぜひ尋ねてみたい。

ご存知 S 生堂の「クー・ド・ピエ」という化粧品シリーズ。
これは「足蹴り」の意。

少し前に日本人の作家さんの書いたエッセーみたいなのもを読んでいたら
「レゾンデートル」ということばが出てきた。

一瞬「?」と思い、そのあとすぐに、raison d'être だと気づいた。
つまり「存在理由」ということ。

「己のレゾンデートル云々かんぬん……」という文章が幾度も出てくる。
わたしはそのたびに「己の存在理由ってことね」と頭の中で転換して読む。

読みながらもしかしてこのことばは「哲学語(そんなものがあるのかどうかは知らないが)」なのかな
とは思わなくもなかった。
少しは哲学をかじったも者なら当然このことばを知っておるはずじゃ、のような高飛車な態度。

わたしはたまたまそのカタカナ表記の意味を知っていたけど
フランス語の知識のない人は最後まで「レゾンデートル」て何?と思いながら読み進めることになるのだろう。
あるいはこのことば、今はもう完全に日本語として伝播しているのだろうか。

わたしは外国語に出会うたびにやっぱり思ってしまう。
わざわざそこでカタカナを使って外国語を入れる理由って何?
わたしたちは日本人なんだから、なるべく日本語を使おうよ。ねえ?




















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by kyotachan | 2015-10-08 16:33 | 喜 怒 哀 楽 | Comments(3)






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「ねえクレモン、わたしたちの子どもってどんな顔だと思う?」
サラが言う。

「え!」
ぼくの胸はぴくんとはねる。

「あ、今、動揺したでしょう?」
サラは毛布をひっぱって口をおおい、こらえきれないという感じに笑う。

ぼくはここのところ、週末ごとにサラの家で過ごしている。

コレージュの最終学年で一緒のクラスになったぼくたちはある頃から意気投合した。
ぼくの気持ちはサラへサラへと流れていき、サラの気持ちがぼくに向いているのもはっきりと感じた。

はじめてサラの家に招かれたときは正直言って驚いた。
ぼくの家だって母子家庭だしけして裕福とは言えないけれど、サラの家には貧しさだけではない悲壮感みたいなものが漂っていた。

サラの母親は数年前に「うつ病」の診断を受けて、それ以来薬を服用している。
落ち込んだときの母親は、それこそ、ゾンビかと見間違うほどの顔になる。

「イザベル、今日はなんか、調子悪そうだったな」
ぼくが言うとサラは毛布から顔を出す。
「マモン?そうかな。悪い、と言っても最悪でもなかったよ」
「あ、そう?」
「うん、最悪の日は部屋から出てこないから」。

サラの家も母子家庭だ。
サラは自分の父親の顔を見たこともない。

「マモンはわたしを妊娠中に離婚しちゃったから」
とサラは言うがほんとうのところはわからない。

イザベルにもほんとうの相手はわからないのかもしれない。
イザベルにはなんだかそんあことを想像してしまう雰囲気がある。

サラをはじめてぼくのマモンに紹介したとき、マモンは言った。
「クレモン、あんなむずかしい子と付き合うの」。

むずかしい?

ぼくはただ、サラと一緒にいると楽しいしこころがおだやかになるのが好きなんだ。
サラとイザベルを見ていると、ぼくが守ってあげなくちゃと自然に思う。

この人たちはいままでふたりだけで、ひっそりと生きてきた。
これからはぼくがこのふたりを守ってあげなくちゃいけないんだ。

こんな気持ちになったのは生まれてはじめてで、
誰かを守りたいと思う気持ちは自分をものすごく強くするんだと知った。

気がつけば、ヴューニースにけんか相手を探しに行かなくなってずいぶんたつ。





















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by kyotachan | 2015-10-08 16:32 | なげーやつ | Comments(2)









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よく降った。

はじまりは木曜日の夕方。
予報では翌日から雨、だったのが、早くもぽつりぽつりと降りだした。
チビたちの傘を調達しようと出かけたのがこの日だった。

翌日の金曜日は、「雲さん、一休みしたら」と思うくらい
絶え間なく雨が降り続き、それはもう、うんざりするほど。

普通のバスケットで登校した子どもたちは足をびしょぬれにさせて帰宅し
そのままシャワーへ直行した。

明日は学校がない日でよかったと思った。

土曜日は朝のうちは曇り空で雨は止んでいた。
出合ったマダムが「二十四時間、きっちり降ったわよね。一度も止むことなく」
と言うのを聞いて、そうか、うん、そんな感じだったなと思った。

再び降りだしたのは午後になってから。
そしてその降りかたが尋常でなくなったのは夜が更けてからだった。

かみなりも伴っていたから家中の雨戸を閉めた。
その雨戸のすき間から通りを見ると、車道が川のようになっている。

「ママ、見て!」

子どもたちと通りを見てぼうぜんとする。
どこにこんな雨がかくしてあったの、というくらいの降り。

「石けんとシャンプー持って降りてく?けっこうよく洗えそうだよ」
わたしはこんな冗談を言って子どもたちのひんしゅくを買った。

わたしたちはまだ知らなかったのだ。
この雨がカンヌ周辺では十六人の死者、三人の行方不明者を出す大惨事になっていようとは。



















写真は一夜明けた日の朝焼け。
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by kyotachan | 2015-10-06 16:32 | 非 日 常 事 | Comments(7)









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夕食はピザだった。
ウチでは週三日はピザを食べる。

マモンが買ってきたのをウチのオーブンで温めるか宅配のピザ。
マモンはほとんど料理をしない。

「マモン、コリンヌの様子はどうだったの?」
ジャッドがピザをほおばりながら聞く。

「それが、会えなかったのよ」
マモンも同じようにピザをほおばる。

「え、わざわざ行ったのに?どうして?」
「……、うん、面会を申し込んで、ほとんど一時間近く、待ったんだけど」

「え?そんなに待つの?」
とぼく。

「ちょうどコリンヌの主治医がいたからちょっと話ができた。それだけでもよかった」
「ああ、そうなんだ。それで?医者は何て?」

ジャッドの質問にマモンは考えるようにピザをそしゃくした。

「医者は、患者のことを第三者に話すことはできないんだって」
「……、じゃあ、何を話したの」
「わたしが一方的に、わたしたちは友人でコリンヌにはよく子どもたちを預かってもらったって、そんな話」
「ああ。へえ」

ぼくたちはしばらく黙り込んだ。

「わたしはコリンヌの家に行くの、ほんとうは嫌だったよ」
ジャッドが言う。

マモンはジャッドをじっと見る。

「だってクレモンはマテオと遊べるからいいけど、わたしには遊ぶ相手もいないし」
ジャッドは続ける。

マモンは黙ってジャッドを抱いた。泣いていた。
「ごめんねジャッド。わかってた。でもあなたは何も言わないから気がつかないふりをしてた」

マモンがそういうとジャッドも泣いた。
「ほら、覚えてる?ジャッドが木から降りることができなくて、わたしが木に登ってようやく一緒に降りたときのこと」
ジャッドはうなづく。
「あの時、わたしはコリンヌをものすごく憎んだの。わたしの子どもをこんな目にあわせてって」
ジャッドはママからカラダを話してマモンを見る。

「そんなこと、一言もいわなかったじゃない」
「言えなかったのよ。コリンヌには子どもを預かってもらったという恩もあるし」

ジャッドは泣き顔のままにっこりと笑う。
「マモンがそんな風に思っていたことがわかってよかった」。

マモンはふいに真顔になり、そして言った。
「今、ものすごく嫌なのはわたしはコリンヌにはばちがあたったんだ、てこころの中で思っていることなの」。




















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by kyotachan | 2015-10-05 17:12 | なげーやつ | Comments(3)

parapluie パラプリュイ/ 傘















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幼稚園、小学校は傘の持込禁止。

おそらくはセキュリティの問題だと思うが本当の理由は今も知らない。
学校の門のところで別れるときに親は子どもたちの傘を回収して
夕方のお迎えのときに再び傘を持参する。

次女が小学生だったとき、課外授業の付き添いをしたのだが
冬直前の寒い季節でその日はあいにくの雨だった。

たいていの子どもたちはフード付きの上着を着こんでいて頭だけは雨をしのぐのだが
中にはフードなしの上着の子どももいて、そんな子は頭も顔もぬれっぱなしで歩く。

その時はたしか担任の先生とわたし、もうひとりの付き添いがいたはずだが
大人三人は当然のように傘をさしている。

なんだかすごーく残酷!
わたしはいいからキミたちこの傘さしなさい!
とこころの中で思ったような気がする。

その習慣が一生続くせいなのか、こちらでは傘をささない人がけっこういる。
わたしは雨にぬれるのが嫌いなので見ていて信じられないと思うのだけど。

小さい子、若い子、そうでない人、いい年のムッシュー。
ものすごく解せないのが、かなり高級そうな服装で、髪の毛もばっちり決めてますわ、のマダムが雨にぬれて歩いていること。
このくらいの降りは雨の中には入らないのだろうか。

そしていつ見てもぷぷぷ、と笑いそうになるのが
シャワーキャップもどきを被っているマダム。

手はあくし髪の毛は守られるし一石二鳥なスタイルなのかもしれない。








今日は雨。

昨日の夕方からぽつぽつと降り出してわたしはあわてて傘を買いに出た。
三女がコレージュに入って傘解禁になったからだ。

子どもたちがもう、雨にぬれそぼることがない、と思うとちょっとうれしい。






















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by kyotachan | 2015-10-02 16:25 | 文 化 教 育 | Comments(6)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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