カテゴリ:日 常 空 間( 311 )

soleil ソレイユ/ 太陽









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<バナナはコートジボワール産、みかんはチュニジア産。>

雨の恩恵。

わたしはだいたい一月の終わりくらいからおやじくしゃみが始まって
「お、来ましたね今年も」
とうれしくないごあいさつを花粉さんにして、アレルギーの薬を朝に一錠飲む。

今年はその儀式がまだなのだ。
花粉症って突然はじまるように、突然かいゆするのかしら。
なーんて思っていたけど、それはやはり甘かった。

昨日。
雨と雨の間にはさまれて、一日だけ、まるでごほうびのように晴れた一日。
この日に花粉がとうとう爆発して飛び出したみたいだ。

おやじくしゃみの連続。
つつつつつー……気がつくと垂れている鼻水。

昨晩は鼻がつまってほとんど眠れなかった。
鼻がつまるとなんで眠れないんだろう?
口で呼吸して眠れそうなものなのに。











ここのところ、誰に会ってもどこへ行っても話題はこの異常なる降水量のことばかり。
お天気のことにあれこれいっても何も変わらないのだし、とこちらはうんざり気味。

そういえば、むかーし、「お天気が悪いから憂うつ」というわたしに、
「お天気で気分が左右されるなんてばかばかしい!」と言い放ったのはフランス人だったじゃないか!

その話をフランス人の友人にすると間髪を入れず切りかえされた。
「キョータ!ここはフランスじゃないのよ。コートダジュールだよ!」















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そんな風に一日だけ晴れた木曜日に、ちいさなお客さま。エミーちゃん。















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ママ五ヶ月のユリコちゃん。















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赤ちゃんでもちゃんとわかるらしく年の近い人は敏感に反応するみたい。
















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いつもは自分がいちばんチビだけど、今日はちがう、と三女。















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「わたしのほっぺたもエミーちゃんに負けないくらいだった」と写真を持ち出す次女。















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眠たいらしく、眠たい声を「むぎゅっ」。















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未来の写真はこうして撮るんですか!

また、近いうちに!



























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by kyotachan | 2014-02-08 03:18 | 日 常 空 間 | Comments(11)




















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今日雨だったから明日は晴れだね。

これがコートダジュールの常識。
つまり雨は二日続けて降ることはない。

この常識ががらがらと崩れ去っている。
いつはじまったか、もう覚えていないほど前に降り出した雨が
いつ降り終わるとも知れないほどに毎日毎日雨が降り続いている。

日本で育ったわたしはまだ雨に慣れているのか
街のすべてを洗い流してくれる雨をきらいではない。

週末は山に登るのが趣味でここのところ週末がいつも雨でそれがかなわない人が言った。

「あーあーもう。
これじゃあ、払い戻ししてくれないと割りにあわないよ」

太陽があるからコートダジュールにいるのに、太陽がないコートダジュールには払い戻しをしてもらわなきゃ、ということらしい。

「雨が街を洗ってる~洗ってる~洗ってる~」
わたしが節をつけて言ってやったら、鉄砲玉でも食らったみたいにぽかんとしていた。






























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by kyotachan | 2014-02-06 02:12 | 日 常 空 間 | Comments(7)








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雨のようやく上がった日、久しぶりにカメラを持って出かける。

むかし、わたしが小学生のころ、
居間でテレビを見ながらアイスクリームを食べた。
居間は母がそうじをすませたばかりで、今思えば「ぴかぴかの状態」だった。

ゴミ箱はテーブルのすぐそばにあるのに
わたしは食べた紙カップをテーブルにおいたまま居間から出た。

そのわたしを見て、母は
「いやあ、もうさ、なんつーか、このそうじしたてのぴっかぴかの居間に
ぼつんとひとつだけある異物が気にならんのかねえ」
としかりつけるというよりあきれかえるという調子で言った

「おまけにさ、ゴミ箱、ここにあるじゃろが」と。

わたしは答えようがなくて、なんだか照れくさかった。
ほんとうに、居間がそうじしたばかりだということには思いがいたっていなかったのだ。

「ま、見えんとじゃろうねえ。そうじせんもんには」

いや、ほんとうにどうもすみません。
そうじをする側になってからは、この時の母の気持ちが痛いようにわかる。

そうじをしないものたちには、そうじしたぴかぴかの状態というのが感知できない。
ふいたばかりのテーブルにぱらぱらとパンのかすを落としていくやつらのなんとにくらしいこと。
そういう時わたしは当時の自分に戻って大きいことを言える立場ではないと思っているのだけどね。

雨のあがったばかりの通りに、早速犬のうんちを発見して
その時の思い出がよみがえってきた。

こいつらはあの時の自分と、そして今のわたしの子どもたちと同じだ。
雨の何日もかけて洗い流してくれた通りがどんだけ美しいか見えてないんだ……。









市場を通りかかったら、おじさんが
「シノワ(中国)がプジョーとシトロエンを買っただろう」という。

そんな話は知らなかったので
「えっ?そうなんですか?プジョーと、シトロエン、じゃあ、中国製の車になっちゃうんですか?」

おじさんはうれしそうに
「そうだよ。今じゃあ中国製だよ」

へえ!まじでえ!
とその時は素直にびっくりしたのだけど
あとで友人にこの話をしたら
「ああ、十五パーセントだか、中国の株になったのよ」
ということだった。

「じゃあプジョーとシトロンが中国製の車になるってわけじゃないんだ」
重ねて確認すると
「ありえないわねえ。プジョーとシトロエンは」
と笑われてしまった。

あのおじさん、きっとわたしを中国人だと思ってそんな話をしてきたんだろうな。




























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by kyotachan | 2014-01-25 05:06 | 日 常 空 間 | Comments(14)







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ニースに来た当時は雨が降っても傘をさす人を見かけることが少なくて驚いたものだった。
今ではどういう理由からか、傘をさす人が増えた気がする。

それともそれはわたしの思い違いか。

ニースに来た当時わたしは三女を妊娠中で次女はまだ一歳になったばかりだった。
ダブルのベビーカーを押して傘をさすことはできないからわたしは傘をずっと持っていなかった。

そしてわたしの出かける先は送り迎えする学校に決まっていて、
そこにもベビーカーを押しているせいで傘をさしていない母親たちがむらがっていた。

こちらの幼稚園と小学校は傘を学内に持ち込むのは禁止されているから傘を持っている子どもも少ない。
わたしの目に入ってくるのはその手の人たちが多かった、というだけのことかもしれない。

確かその頃だった。
ベビーシッターをお願いしていた日本人の女学生の人に言われた。
「わたしは子どもはせいぜいふたりまでです。だってキョータさん、めちゃくちゃたいへんそうですもん」。

一瞬ぐさりと傷ついた。ような気がした。
わたし自身はたぶん「めちゃくちゃたいへん」とは思っていなかったのだろう。
それなのに周りにはそんな風に見えているんだ。

長男が幼稚園生だったとき、
「熱が三十八度以上あるからお迎えをお願いします」
と学校から電話がかかってきたことがあった。

外は土砂降りの雨が降っていた。
ちょうど、今みたいに。

次女と三女はちょうどお昼寝中だった。

どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。

胸がにわかにどっくんどっくんと鳴りはじめた。

すると次女が目を覚ました。
三女はぐっすりと眠っている。

迷ったのは一瞬で、わたしは次女だけをベビーカーに乗せて、文字通り家を飛び出した。
ばけつをひっくり返したような雨が降っていて通りには人ひとり、猫一匹いない。

その中をダブルの大きなベビーカーを押して川のようになっている道を歩いた。
当時子どもたちは学区外の公立に通っていたから徒歩でゆうに十五分はかかる距離だった。

カゼ~待ってろよ~お母ちゃんが今行くからな~
ソラ~少しの間寝てておくれよ~お母ちゃんはカゼを連れてすぐに戻るからな~

水たまりの中に足をがしがしとつっこみながらわたしは口の中で唱えていた。
大丈夫だ絶対に大丈夫だと自分をこぶしていた。雨に打たれながら。

幼稚園でゆでだこのような顔をした長男をベビーカーに押し込んだ。
ぐったりしていてとても雨の中を歩ける状態じゃなかった。

後ろがベッドになるベビーカーに、この頃の長男はまだ乗ることができたのだ。
もう四時近い時間だったから、長女にも早退をさせてもらった。

わたしたはもちろん、長女も傘を持っていなかった。
土砂降りの雨の中を再び歩いて帰ってきた。

帰宅して、ベビーベッドの中で依然ぐっすりと眠っている三女を発見したときのあの気持ち。

ありがとうございます!
わたしは何かに向かってお礼を述べていた。
















傘をさす人が増えたとっていてもそれは骨の折れた傘、がだんぜん多い。
というより、ニースで調達する傘はすぐに折れてしまうのだ。

そして人々は折れた傘を平気で使い続ける。

もちろん傘のない人も依然として多い。
かっぱを着て雨をしのいでいる人はもちろんのこと、なんの対策も立てない人も多い。
つまり、ぬれるまま。

このぬれるままのひと、年齢性別もまさにさまざまでシックなコートを着ている妙齢のご婦人が
雨にぬれるままに歩いている姿もめずらしくない。ぬれるのが好きなのか?

今でもクスリと笑ってしまうのがシャワーキャップをかぶっているご婦人方。
はじめて見たときは何か間違っているものを見た気になって目をぱちぱちした。

ところがこのスタイル、なかなかに普通のスタイルとして定着しているようなのだ。
おそらくはセットした髪型が崩れるのをふせぐ目的なのだろうけど、でもさ、だったら傘、さそうよ?





























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by kyotachan | 2014-01-19 22:36 | 日 常 空 間 | Comments(21)

pluie プリュイ/ 雨



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一晩中降り続いた雨が今朝になっても続いている。
それもけっこうな勢いで降っていてまさにどしゃ降り。

ちょっと迷って、今日くらいはいいだろうと
いつもは歩くところをトラムにした。

足元は子ども用の長靴。
グレーに紺色の蛍光ラインが入っていて側面にはライオンのイラスト。

子どもがはいていたものをゆずり受けたわけではなく、
セールで売っていた子ども用の長靴を、わたしのサイズにぴったりだからと自分用に買い求めたのだ。

夫には「マジでそれはくの?」とびっくりされた。
足元がぬれる心配がないのは雨の日の外出の憂うつを九十パーセント分、カットしてくれる。

もともと身につけるものは実用第一主義だったけれど、年齢を重ねてもそれはまったく変化なし。
年をとればわたしだって年相応におしゃれなおばさんになるはず……というのは完全な幻想に終わりつつある。

「この長靴をはいて友人に会ってもなんのコメントもなかったよ」
と夫に報告するとすぐさま返された。
「あまりにもすごすぎてコメントのしようがないんでしょう」

どしゃ降りの雨が歩道のところどころに水たまりを作っている。
カフェの日よけ(今日の場合は雨よけ)が雨の重みでたわんでいる。

トラムが来た。
乗り込む前にばさばさと傘の水滴を落としてたたみリュックにしまいこんでから
十回分乗れるマルチカードを器械にさしこんで検印する。

ちょうど席が空いていたので座る。
隣は帽子を目深にかぶった少年。

目の前には年の頃二十歳から二十五という風ぼうの女の子が立っている。
背が高くてすらっとしている。なかなかの美人。

フードのふちにたっぷりと毛がほどこされているコートに
やはり縁どりに毛が使われている手袋。

この手袋、最近よく見かける手の甲の部分だけをおおうタイプのもの。
足元はひざ下までのレインブーツ。手には折りたたみの傘。

こんな風にフードに毛がついたコートがほしいんだよなと自分の気持ちを再確認し
このタイプの手袋ははめたままお金を出し入れできるし運転もできるしけっこういいんだよなと思う。

なんのことはない、この女の子の格好はかなりわたし好みなのだった。
足元がしっかりとレインブーツなのも好感が持てる。
好みの格好が目の前にあり、それとは程遠いところにいる自分がこっけいでちょっと笑う。

もはや嫉妬という感情でもない。
わたしだってこんな風にコーディネートすることだってできそうなものなのに、
なぜかそこへはたどり着けない自分をあわれむような妙な気持ち。

女の子の側面に座っていたわたしは遠慮なしに彼女のことをじろじろと見つめ続け
そうしている間にトラムは次の停車場へ入った。

すぐにアナウンスがあり、かくかくしかじかの理由で発車を見合わせるという。
わたし好みの女の子は迷いもなく降りていった。あるいはそこが目的地だったか。

かくかくしかじかの理由、が聞き取れなかったので、隣に座っていた帽子を目深にかぶった少年に尋ねる。

「何が理由だって言いました?」
「気分の悪くなった人がいるからだって」
「ああ……。それって、運転手が?それとも乗客が?」
「乗客ですよ」
「そうなんだ……。どのくらい、止まったままなのかな」
「救急車が到着して、その人を運び出すまでだから、すぐ終わることもあるし、なかなか終わらないこともある」
「なるほど。どうもありがとう」

おそらく二十歳には達していないだろうこの少年は
そのいでたちから想像するよりもずいぶん親切でしっかりしている。

我が家の長男はこのくらい親切に説明してあげるだろうか。
トラムのアナウンスが聞き取れないアジア人の女性の質問に。

一瞬そんなことが頭をよぎり
その青年の態度に気分をよくして、わたしは雨が小降りなのを確認してトラムを降りることにした。

小声で少年にあいさつ。

「さようなら」
「……さようなら」

雨足がおさまっていてよかった。
歩きなれた道を傘をさして歩く。

そこは火曜日から日曜日まで週の六日間の午前中、毎日市場の立つ通りで
今朝も雨の中、いつも通りに野菜が山のようにつまれている。

冬の市場は買いに出るのさえおっくうなのだから
そこへ何時間も立ち続けて働いている人の苦労はどれほどかと思う。
そこへ今朝はこの雨。

わたしのそんな思いとは裏腹に、
市場で働く人たちはそんなことはこれっぽっちも問題じゃない、へっちゃらさ、という顔をしている。

突然、この雨が街をきれいに洗い流してくれるのだと思う。
雨さん雨さんありがとう。
雨の中を歩きながら雨に向かってつぶやく。


























写真は雨にぬれたフランスパン、でなはなくて、
ハンバーグに入れるために水にひたしたフランスパン。

日本のレシピではパン粉、が普通?
こちらのレシピでは水にひたしたフランスパン。
分量はひき肉十に対してフランスパン一。

ふっくら焼きあがることまちがいなし。


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by kyotachan | 2014-01-18 01:46 | 日 常 空 間 | Comments(10)









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十一月四日、朝の七時七分。

朝焼けの出る日は必ず雨。
今日の雨は冷たかった~。




























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by kyotachan | 2013-11-05 02:02 | 日 常 空 間 | Comments(5)









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夫不在の日曜日の午後、下ふたりを連れてお散歩。

行き先は最近新設された公園で
名まえを promedande du paillon プロムナッデュパイヨン/ パイヨンお散歩道 というらしい。
マセナ広場とガルバルディ広場をむすぶ位置にある。

むかしはここに、大きな遠距離バスターミナルがあった。

この日はちょうどお昼時に長女の友人がふたり来て、
朝からそうじに追われ、昼食にはスペシャル・チャーハンを振る舞った。

子どもたちのお腹をいっぱいにしたらわたしはそれでお役ごめんだから
下ふたりだけとでも出かけたいなあと思った。

気のいい友人たちのことだから下ふたりとも遊んでくれて
今日はこのまま家の中かなあとも思いかけたのだけど
外はいい感じで陽がさんさんとさしていてわたしは外の空気がすいたかった。

不本意ながら最近は子どもたちを外に誘いだすのはわたしの方だ。
「お天気もいいことだし、新しい公園をのぞいてみようか」
と期待半分で誘うと、しぶしぶながら下ふたりが付き合ってくれることに。

新設されたばかりでおまけに日曜日だったこともあって公園の中は人でごったがえし。
仕事中の友人と合流するはずが、相手を見つけるにも困難だったほど。
むかしはウチもこのベビーシッターさんにはずいぶんとお世話になった。

たわわるほどに子どもたちのぶら下がった遊具には
ウチの子どもたちはもう何の興味もなさそう。

あまりにも気持ちがいいのでストールを地べたに引いて座り込んだ。
にわかに巡回中のおまわりさんがやってきて
「マダム、すみませんが、移動してください( il faut circuler )」。

なんだなんだこんなに美しい芝生を敷きつめておいて、ピクニックもできないのかい?

いっぺんに気分を害して、ヴューニースへ移動。
ロセッティ広場も、これまた吐きそうになるくらいの人の山。

子どもたちと友人はアイス。
わたしはビールを飲むつもりが、なんだか汗がしんと冷えてきてそのままになってしまった。



























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by kyotachan | 2013-10-29 00:12 | 日 常 空 間 | Comments(0)







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わたしは夫とふたりでスーパーのレジに並んでいた。

食料品のほかに日用雑貨や衣料品も置いているスーパーで
わたしはここの下着がけっこうお気に入りだ。

この日は思いがけずすてきな body に出会ってしまい
おまけにくたびれたほかの下着も(勝手に)新調させてもらうことにして
いつもよりもカートには割り高のものが積まれていた。

夫は夫で二本買えば一本はただ、といううたい文句にひかれて
何本かのワインのビンをカートの隅っこに押しこんでいた。

そういう事情でお会計はいつもの三倍近くにもなってしまい
夫はレジで「二枚のカードで清算します」と申し出ることになった。

よその家庭のことは知らないがウチではけっこう使う手なので
わたしは買ったものを買い物袋に詰めながらそのセリフを聞くとはなしに聞いていたのだが

レジのおばさん、推定五十五歳、が、夫のその申し出を聞いたとたん、
それまでのむしろ穏やかだった態度を一変させて、

「二枚のカードッ?!?!なによそれッ?!?!そんなの知らないわッ?!?!
だいたいこの金額をふたつにわけることなんてできないわッ。わたしは計算機を持ち合わせていないし、だいたいここはグラン・ゼコールじゃないのよッ!!!」

といきりたった。
グラン・ゼコールとはフランスでの最高学府中の最高学府。
エリート中のエリートしか入れないし出てこれないという学校のこと。

そのおばさんの態度にびっくりぎょうてんしたのはこちらの方。
なんか、数字をふたつにわけることにグラン・ゼコール出してくるなんざー、大げさすぎないか?

夫は始終にこやかに
「あ、えーとね、じゃあ、○○○€ をまず払います」。

それで納得してくれるかと思いきや、
「だから!わたしはね!そんな操作はいまだかつてやったことがないんだってば!」

さらにヒートアップしてくる。
わたしたちの後ろにはうんざり顔のお客さんたちが五人ほど。

レジのおばさん、ようやく機転を利かせて電話で責任者を呼んでくれる。

「なに。どうしたの」
「この人がね、半分・半分で払いたいっていうんだけど。わたしはそんなことやったことないから」
「数字キーで打ち込めばいいだけの話でしょう」
「そんなこと言われたって!わたしはやったことないんだから!」

幸いできる責任者のおばさんがテキパキとキーを操作してあっけなく支払い終了。

あのおばさん、なんえであんなにえらそうだったんだろう?
自分ができないことを恥ずかしいと思う気持ちはないのだろうか。

理解不可能な人のふるまいに出会ったときにはこう思うことにしている。
わたしとあの人のカラダの底にはまったく違うものが流れているんだろうな……。





































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by kyotachan | 2013-10-19 00:36 | 日 常 空 間 | Comments(10)

ciel シエル/ 空









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十月十一日午後七時ちょい前ウチの居間より。
今朝はぐんと寒くてダウンが恋しかった……。






























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by kyotachan | 2013-10-12 02:35 | 日 常 空 間 | Comments(4)












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......。

なんで命令形?しかもカッコつきで?

日本語の文字がアートに見えてしまうお国の方が作ったんでしょうね。

暑中お見舞い(もうしあげなさい)
でもよかったのかも?

アサヒビール(飲みなさい)
とか?

暑中お見舞いもうしあげます!





























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by kyotachan | 2013-07-20 03:15 | 日 常 空 間 | Comments(9)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
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