カテゴリ:日 常 空 間( 315 )








f0136579_2302328.jpg

日曜日の夕方、ひとりでトラムを待っていた。

金髪のショートボブの女の子が犬を連れていて
それがもう、絵に描いたような「忠犬ハチ公」風な犬。

女の子のほうもわたし好みにかわいくて
じろじろ見ちゃいけんぞなもし、と自分をいさめる。

そこへ年のころ五十くらいのマダムが(ってつまりはわたしと同じ年齢くらいってことか)、
「あら~かっわいいわねえ~っ、さわってもいいかしら」
と女の子のほうに寄ってきた。

「大丈夫だと思いますよ。まあ、本人次第だけど。たいていは大丈夫だから」
と言っている。

そこから、ふたりのおしゃべりがはじまったのを聞くともなしに聞く羽目になった。
日曜日の夕方は、トラムの本数が少なくて、けっこう待たされてしまうものなのだ。

犬をひとり残して仕事に出るのは苦痛、だとか、
隣のマダムの犬の世話をしていたんだけど、その犬が死んでしまった、とか、
アパートに戻って犬の顔を見たらどれだけほっとするか、
みたいなことをふたりで共感に共感を重ねる感じで会話が続く。

犬を連れている女の子はことばにアクセントがあって、
イタリア人か、ブルガリア人か、フランス人ではないみたい。

「このワンちゃん、名前はなんていうの?」
マダムが尋ねる。

「クマ」。

え!と思ったらすかさずマダムが質問を重ねる。
「犬の種類は何」

「シバイヌ」。

ほー!
柴犬に熊ですか。
なかなかいいセンスしてますなおぬし。

と思った、四月のある日。




















写真は三年前の四月に撮ったいちご。おいしそう!
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

いちごが出回ってきましたなあ。

[PR]
by kyotachan | 2016-04-18 20:13 | 日 常 空 間 | Comments(6)

printemps プランタン/ 春








f0136579_15271672.jpg

三月最終日曜日に夏時間に突入。
時計の針を一時間早めるから、当然、日が長くなる。

すでに夜の八時半くらいまではまだ明るくて
子どもたちのダンス教室のある日なんかはちょっと気が楽。

四月に入ると気温もぐんと上昇して、今日の予報では気温最低十二度、最高十八度、明日は十九度まで上がる。
花粉症もだいぶ落ち着いて、薬を飲まなくても大丈夫。

子どもたちはバカンス・パック(イースター休暇)で二週間お休み。
これが明けたら、ひたすらグラン・バカンス(夏休み)までひた走る。

わたしのは春はこんな風景。






















写真は二年前の四月一日、の長女。三女から貼られた魚。「猟師」、と書いてある。
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

ひとつ前の記事で)きょうたのうそつきー!と思われた方。ええええ、お気をつけあそばせ。

[PR]
by kyotachan | 2016-04-05 15:38 | 日 常 空 間 | Comments(0)

colombe コローンブ/ 鳩









f0136579_16415640.jpg

ベランダに客ひとり。















f0136579_1642815.jpg

と思いきや、お連れがいらした。

同じ方向を見ている。
夫婦かな。













f0136579_16422028.jpg

別のものを見るときもある。

だよねだよねだよね。
夫婦だって見たいものがいつも一緒なわけじゃないもんね。
でもあとで、こんなもの見たよ、て話し合えるもんね。






















にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2016-03-22 16:51 | 日 常 空 間 | Comments(6)

douleur ドゥルー/ 痛み








f0136579_235138.jpg

「痛い」、てミステリアスなことばだと思う。

体温計のように計る器械もないから
自分の「痛い」がどのくらい、そしてどんな痛みなのかを相手に正確に伝えるのは不可能だ。

日本にいるとき医者に
「きりきりした痛みなのか、それともずどん、という感じの痛みなのか」
なんてことを聞かれたことがあるけど、
きりきり、ずどん、でさえ、わたしの思うきりきりが、医者のいうところのきりきりと同じだという保証はどこにもない。

子どもが、カラダのどこかが痛い、という時はだから
わたしはそのことばを、百パーセント信じるしかない。

「そう、痛いんだね」、そう言って、「痛いんだろうな」と思うことしかできない。
「痛いみ止め、飲んでみたら」ということもある。

「痛いはず、ないでしょう」
これだけは、言わないと決めている。

痛いから「痛い」と不満をもらしているのに
それを否定されることがどれほどつらいかはわたしにもわかる。

痛いねー、て同苦するだけで、痛みは和らいだりするものだ。















f0136579_23511718.jpg

痛み測定器ができたら?

そんなもの、だーれでも信用しないと思うな。
オレの痛みは2.5なんてもんじゃない!これは9くらいはある!
とか言ってね。




















写真は二年半も前のキッチン。きれいなレモンをお砂糖に漬けた。
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2016-03-08 00:12 | 日 常 空 間 | Comments(6)

saison セゾン/ 季節









f0136579_1657361.jpg

一月は咳をしている間に過ぎ去った。

ったくもう、しつこい咳で、友人に会うたびに「まだ咳?」と驚かれた。
咳にいいシロップやあめ玉を幾人の人たちにもすすめられた。

何が効いたのか、ほんとうのところは知るよしもないけれど
まずは時間。
時間がたてば、自然に治る類の咳だったのは間違いない。

大根おろし+はちみつは気に入ってしまった。
しゃりしゃりする大根に甘いはちみつが意外にあう。

もうひとつ、こんなものが?
と思ったのが、玉ねぎ。

こちらは食べるのではなく、スライスしたものを枕元に置いておく。
なんとかという成分がいい働きをするらしい。

ただ、せいぜい二センチくらいでいい。
一度、玉ねぎ半分を全部スライスして枕元に置いたら
その匂いの強いこと強いこと。

咳ではなくて、その匂いが気になって眠れないほどだった。







咳がおさまったと思ったら目のかゆみ。おやじくしゃみ。水のようは鼻水。
花粉症は毎年お決まりの季節ものだから、楽観主義に徹してのらりくらりとかわすことにしよう。




















写真は去年の夏、友人宅で。塩、コショー入れがかわいい。後の丸いのは氷入れ!セネガル製。


にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

[PR]
by kyotachan | 2016-02-03 17:10 | 日 常 空 間 | Comments(0)






f0136579_17242072.jpg

水曜日は三女のギター教室の日。
三時にお迎えに行って帰り道にあるカルフール・マーケットに寄るのがお決まりコース。

三女とふたりだけで買い物するこの日はどうしても三女に甘甘になってしまう。
食いしん坊の三女が好物のシリアルやチョコレート菓子をどんどこかごに入れていく。
わたしはちょっとにらむふりはするものの「まいっか」になる。

ヌテラを、これはわたしがかごに入れたら三女があわてて言う。
「ママ、ママ、もっとすてきな瓶のが入り口に並んでたよ。クリスマス仕様の、かわいいのが」。

まったく気がついていなかったのだけど
三女が走って持ってきたそれはスヌーピーのサンタさんバージョンだった。

こんなところからじわじわと突入するクリスマスモード。
























にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2015-12-11 17:33 | 日 常 空 間 | Comments(5)









f0136579_1633883.jpg

日曜日の夕方、気がつくと家の中が真っ赤だった。












f0136579_16335458.jpg

窓を開けて撮った。翌日はよく晴れた。













f0136579_16355638.jpg

先っぽは筆の先のようでもあり、髪の毛のようでもあり。

























にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2015-12-01 16:38 | 日 常 空 間 | Comments(2)








f0136579_15372893.jpg

イタリアのショーウインドーで「かわいーなーほしーなー」と思って眺めたサンダルたち。
いつのまにか、ブーツが並ぶ季節になってしまっている。今朝は寒いっ!

玄関の内側に「靴脱ぎ場」があって、家の中がしっかりと「土足厳禁」な国。
そんな清潔な国って日本のほかにあるのだろうか。

今朝、土足で風呂場に入り、歯をみがいている長男を、長女が怒鳴りつけていた。
「白いタイルがあんたの靴で真っ黒になっちゃうでしょう!がやんがやんどやんどやん云々!」

長男の声がしなかったので、ああ、お姉ちゃんに怒鳴られてしゅんとしたかな、
と一瞬でも思った母は甘かった。

なんのこたーない。
姉のことばは馬耳東風。

そ知らぬ顔で歯をみがき続けている弟なんだった。

冷静になってみれば
「わかったよ。オネエチャン。ぼくもう、土足で風呂場に入ったりしないよ」
なーんて長男が言ったりしたら、気持ち悪いもんね。






















にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

[PR]
by kyotachan | 2015-10-16 16:33 | 日 常 空 間 | Comments(10)









f0136579_15422532.jpg

月曜日の朝、三女が腹痛を訴えて学校を休んだ。

十時ごろには落ち着いた様子で「たいくつ~」と言い出す。
ったく、ただの怠け病じゃん?と思いながらも
わたしだって腹痛で学校を休んだことは百万回ほどもある。

お腹が痛いのはうそじゃないの。
学校へ行く時間が過ぎたらおさまるのもうそじゃないの。
わかってはいるから強くも言えない。

便は普通に出ているようだし初潮というわけでもなさそうだし
四時のおやつも勝手に食べ、夜の食事もいたって普通。









そして今朝。
またもや腹痛を訴えて来る。

「ソラ?昨日は十時にはもう落ち着いて、一日中、なんでもなかったよね?また休むの?」

痛み止めをほしがるので一服飲ませ、放っておいた。
夫が学校へ連れて行くのでそれを伝えると、落ちた。

かみなり。

ちょっと涙ぐむ三女。
でもまあ、わたしだって行っても問題ないと思うから三女をかばうこともはばかれる。
急いでたまごごはんを作って食べさせた。

こんな日は一日中三女のことが気になってしまう。
元気に一日、過ごせますように。





















にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2015-09-29 15:55 | 日 常 空 間 | Comments(3)

nuage ニュアージュ/ 雲











f0136579_15374252.jpg

朝の七時過ぎ、朝焼けが出ていた。

ああ、久しぶりに朝焼けだなあ、写真写真。

数分後、というか、もう八時近かった、朝焼けは消えていた。
朝焼けのあとには秋の雲が、ぷかりぷかり。
























にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


[PR]
by kyotachan | 2015-09-15 16:31 | 日 常 空 間 | Comments(3)

南仏・ニース在住。フランス人夫・一男三女の六人家族
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31