2007年 07月 04日
バイリンガル論争
約三年半前、わたしたちがニースに来た時、長男当時三歳は、まだことばが始まっていない状態だった。 わたしの話す日本語、ダーリンの話すフランス語をきちんと聞き分けているらしいな、ということはわかっていたけれど、彼が発するのは返事くらいで、まだ、おしゃべりする、という段階ではなかった。 長女が二歳でかなりの会話をこなしていたのと好対照。 まあ、男の子だし、話しだしたら話しだしたで、おしゃべり地獄が始まることは経験ずみだったから、わたしはなーんにも気にせず、ゆっくりでいいよお、という姿勢だった。
ニースに着いてからすぐに幼稚園に通い始めた長男。 だんだんと、ことばが出てくるようになった。 当然のことながら、フランス語が。
ある日の夕食時、わたしが日本語で長男に話しかけるも、ぽっか~ん、と口をあけたまま、反応がない。 二 三度同じ事を繰り返したわたしは、しまいには、ほとんど叫んでいた。 見るにみかねて長女がそれをフランス語に訳して伝えた。 そこで、爆発。
「なにフランス語に訳してんのよっ。 わたしはカゼと、日本語で話してんのっ!」
結局長男はわたしが何を言っているのか理解せず、わたしの怒りはおさまらなかった。 わたしが日本語教育をしていないのだもの。 長男の日本語の語彙が育たないのは至極当然なのに、わたしには、それが理解できなかった。 ニッポンジンの母親をもつ子どもはニッポン語を話して当然、というおごりと甘えがあった。
そのうちに、次女も幼稚園に通うようになり、きょうだい間では当然フランス語。 ニンゲンだもの。 楽な手段でコミュニケーション図るようになるのは、ごく自然なこと。 わたしは、フランス語の社会の中でもまれつかれきっている長男に、さあ、ウチに帰ってきたから日本語を話そうね、という気力がなかった。 まるでなかった。 日本語が通じないなら、フランス語で話そう。 わたしもまた、楽な方へ、楽な方へと流れてきた。
最後の砦、長女だけがまだ、わたしとは日本語で話す。 でも複雑なことは、「ね、ちょっと、フランス語で、ね。」 と言って、フランス語で話すようになった。 今や、日本語では意思の疎通がままならなくなってきている。 日本語でなーんにも話してくれないむすめよりも、フランス語で、何でも話してくれるむすめの方が、百倍ありがたい。 ことばはやはり、手段であって、目的にはなりえない。 将来、日本語をきちんと学びたいと思えば、学ぶ日が、やってくるだろう。
え? たいまんな母親だなあ? おっしゃるとおりです。 ニースに来た当時、日本語を話さない子どもを持つニッポンジンママに、全く同じ感想を持っておりました。 おそらく、同じ現場を歩いている方々には、共感してもらえる問題ではないかな、と。
だって、学校でいやなことがあったと泣きじゃくる長女に、日本語では説明できないけど、フランス語ではできる、と言われたら、やっぱり、フランス語で説明してもらいたいじゃないですか。 え? それを日本語ではこういうんだよ、と教えろ? うーむ。 できない。 わたしには。
コメントありがとうございました。
我が子の言葉力の責任、私も感じます。
日本で育てていながら、我が息子はその日本語会話さえ
遅れ気味でしたので。
長い目で見ていこうと思っていますよ。
私も全く同じ経験したからね。
娘が日本語話さなくなってきて、腹が立って腹が立って、、、。
で、日本語で話す努力したか?してるか?
ぜんぜん、じぇんじぇん、デュエンデュエン!!!!
だって、一日がこんなに早く過ぎていく毎日、一つの言葉を
説明して日が暮れちゃうよ。
でもさ、、、、この前日本の友達の家に行ったら、
日本上陸3日目から、結構ぺらぺら喋りだしてた。
「よし、娘をいつか日本1年間体験生活させよう」
っと決めた。1年あれば、ペラペラになれる!!!
早速 お越しくださり ありがとうございます
いつも 興味深い 記事 拝見させていただいています
わたしは しっかりした 『母国語』 を ひとつ 持たせる これに 徹する ことにしました 中途半端に 日本語教育をして 結局 フランス語 も 日本語 も 使い物にならない という 状況を 一番 恐れています
フランス人の父親を持ち フランスに居住している 子どもたちが 『フランス語』 を母国語とするのは当然 長女は英語の授業が始まったので 第二外国語は 英語 それもよしとしよう
え ? で 日本語は ? 本人の自由意志に任せる てことで ・・・ あれ ? やっぱり かなり たいまんまま ですねえ
その 次女のおともだちちゃん カンタン に リセ に 通える て ことに おどろき~
天文学的数字なのよ あそこの学費 (あれ? 話題ずれてる?)
まあ なんつーか かんつーか バイリンガル てのは 血と汗と涙の結晶
てことは 実感を持って 言えること ですねー
ニース生息中ニッポンザルの感想としては
えへへ bebecat さんはきっと なぐさめのコメントをくれるだろうなあ て 確信してたよ
え ? 三日で ぺらぺら ? うーむ そりゃあ すごいなあ
そうなんだよねー 純ニッポンジンの子どもでも 日本語ができない子ども てのが 結構いて でも 大学生 くらいで 語学留学すると かなり 高確率 で 取り戻すようなのだよねー ただの わたしの 印象 だけど
さーて 『一年間 体験生活』 これですかねー たいまんまま の 結論 としては