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新型コロナウィルス・ニースの「灯をおおう」政策。

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指を切った。
左の中指。

なんと走っているミシンに指をつっこんでしまったのだった。
こんなこと、はじめて。

ここのところ、ミシン針の足の運びがおそいのだ。

向こう側から布を手でひっぱってあげないと進んでいかない。
……、わたしと同じでミシンもオイル現象か。







今週は次女の試験週間。

居間でないと Wi Fi の通りが悪いとかなんとかで
ずっと居間を占拠されていた。

そうじ機などかけようものならどれだけ恐い顔でにらまれるかわかったものではないから
ほこりの舞う床を横目で見つつ、まあほこりで死ぬわけではなし、と見て見ぬふりをしていた。

指を切ったとき、ちょうど次女の最後の試験が終わったところだった。

わたしは「さて、そうじでもしよ」とミシンを離れ、
指を冷水で冷やして消毒、ばんそうこうを貼ってすぐにそうじ機のスイッチを入れた。

指の痛みはそれほどではないがばんそうこうから血が染み出してほかの指を汚してしまう。
そうじ機をかける間、四回?五回?ばんそうこうを貼りなおす。

その日は朝から「今日は晩ごはん、作りたくないなあ。なんかめちゃくちゃおっくう」と思っていた。
そんなこと思っていたから指を切ってしまったような気がして笑ってしまう。

あ!そうだよ。指がこんなじゃあ、ごはんが真っ赤になっちゃう。
今日は作らないぞ。そう思うと鼻の穴がふくらんでいる。

こんな時こその宅配ピザでしょう!





夜になって夫が次女とふたりでPCをのぞき込んでいる。
最近はピザの注文も電話ではなくインターネット仕様。

三十分ほどかけて色んなお店を物色しているらしいのを横目で見る。

夫がちょっと困った顔をしてやってきた。
「couvre-feu クーヴル・フだよ。ピザの配達はできないって」。

couvre-feu クーヴル・フ、と呼ばれるフランス政府の出した新型コロナウィルス対策。
「灯をおおう」という意味だ。

公的な和訳では「夜間外出禁止」となっている。
もちろんその通りなのだが、その和訳では couvre-feu クーヴル・フ の感じは出ない。

六時以降は灯を布でおおってしまって、家に閉じこもっていなければならない。

スーパーしかり。
宅配しかり。

一般市民は夕方の六時までにその日の活動を終えなくてはならない。
これはけっこう、きつい。

普通に働いている人は仕事帰りにお買い物をすることができなくなる。
ピザの宅配くらいはあきらめなくちゃならないか……。

豚の角煮がタッパーに入っている。
あれを温めて、ご飯も冷凍のをチンして、あ!確か明太子がひとパック残っていた。
ゆでたブロッコリーもまだ残っているし、いろどり的にもいい感じかも。

あれこれ献立を頭の中で組み立ていたら
次女(18)と三女(16)がすでにパンをオーブンのグリルに並べているところだった。

ピザ風のパンを焼くという。
……、なんだ、助かった!









現在、学校に通っているのは三女だけなのだが
今までに三回、濃厚接触疑惑で、三回、自宅待機になり、三回、検査を受けている。

幸い、三回とも結果は陰性で、そのたびに家族ともども、ほっと胸をなでおろしている。

若い、ぴちぴちの細胞に感染しやすいようだね、新型コロナウィルス君は。

逆に若すぎても感染しにくいのだろうか。
幼稚園や小学校での集団感染のニュースを聞かないのは不思議なほど。

最近、見かける、新型コロナウィルスの異変種。

ワクチンが開発されて、新型コロナウィルスくんたちもあせりだしたか。
生きのびるためには形をかえて、さらに強力なウィルスに変化する必要があったのか。


















人間がウィルスに負けないように必死なのと同様、ウィルスくんも生きのびるのに必死、なのだろうな。
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みなさまもくれぐれもご自愛ください。ニースもけっこう寒いよ(今日の気温は3℃~11℃)。


写真はいつぞやの夕焼け。






Commented by redcardinal at 2021-01-10 15:32
初めまして。5年ほど前から訪問させていただいています。毎回のタイトルの表記が好きです。アメリカもCURFEWという言葉で外出禁止令がBLMの時に敷かれました。ナンジャこの言葉?と思って調べたんですが消灯という意訳が多かったです。昔は消灯の際に蝋燭などの火をカップのようなもので上から覆うように消してたようなイメージなのかな?と読んでいて想像しました。ちなみに私も丙午ではありませんがその一回り下の馬です。
Commented by kyotachan at 2021-01-10 23:53
> redcardinalさん
はじめまして。イイネボタンをたくさん押してくださってどうもありがとうございます!
うま年でいらっしゃる。来年のひのえうまの会・オンラインでオフ会にはぜひご参加ください。笑
そうそう、わたしもはじめてこのことばを聞いたときはまさにろうそくの灯をカップでおおうイメージがぱっと浮かびました。敵に見つからないように息をひそめて生活するみたいな?消灯政策、といってしまってもよかったんですが灯をおおう、といってみました。
NYでだんご三きょうだいの子育て。なんだかとっても楽しそうです。アメリカは行ったことがないのであこがれの土地です。今年もどうぞよろしくおねがいします!
Commented by esiko1837 at 2021-01-12 20:09
こんばんは。
おおご同類!!!!!
私はなんと、今までにミシン針で4回(多分)指を縫いました。
直近は数か月前に左親指の爪で、ゆっくり位置はずれてきていますが、爪には傷がはっきり残っています。
加齢とともに集中力が落ちているからとは思うものの、初回は小学校3年生の時でしたから・・この性格が原因かも。
どうぞお大事に。
そんな時にピザの宅配が頼めない状況で、困りましたね。
灯を布で覆ってなんて聞くと、テレビや映画で見た戦争時のシーンが思い浮かびますが、まさに今も緊急事態そのもの。
それにしても6時以降の外出禁止は、かなり厳しいと思います。
娘さんたちのアイデアで乗り切ったようですが、これからも頼って助けて貰ってください。
Commented by kyotachan at 2021-01-13 18:51
> esiko1837さん
上には上が。孫ひとりさんにはかなう敵なしです。
小学校三年生ということはミシンは当然脚踏みミシンですよね。わたしも家庭科の授業で習いました。苦戦したのを覚えています。ミシンのリズムをつかむことがなかなかできなくて泣いたような泣かなかったような。母親がつきっきりで特訓してくれました。そしてある日、自転車に乗れるようになるのと一緒で一度そのリズムを習得するとできなかったことがうそのように思えるという。その後はもうミシンを踏むのが楽しくてしょうがなかったです。アンチークショップなどで脚踏みミシンを見かけると胸がきゅんとします。
加齢で失敗。いやあもうなにこれ。ありえない!という失敗があちこちで。ひとりでこっそりと笑い飛ばしております。おちこんでもしょうがないので。
母親の時代には消灯政策があってこれはもうほんとうに家中の電灯を消さなくてはならなかったらしい。「弟が目があかない、目があかないというのがかわいかった」、と話してくれたことがあります。むかしは飛行機、いまはウィルス。敵が見えないだけにややっこしいです。でも自分の中にウィルスもがんばっているんだろうなと応援したくなる気持ちもあってちょっと複雑。
Commented by greenlove at 2021-01-14 17:22 x
こんにちは、お久しぶりです。相変わらずパソコン無し生活なのでなかなかコメント出来ませんが欠かさず読ませていただいてますよ。コロナの事
息子さんの事、いろいろ大変な中ですがいつも前向きで明るい生き方に感心してます。日本も今日から緊急事態宣言が拡大され国全体か暗ーいです。それにしても「灯をおおう」なんて言葉切ない!世界中が我慢我慢です。このままいくと私は孫や子供に会えぬまま人生を終えるのではないかと...いかんいかん、前向きね!
Commented by kyotachan at 2021-01-15 00:29
> greenloveさん
お久しぶりです。コメントうれしいです。
ドイツの首相の「いまは遠方にいるお子さんやお孫さんに会わない努力をすることこそが彼らのためになるです」という演説を聞いてコロナ禍において自分のできることがはっきりと自覚できた、とおっしゃっているひとがいました。特に三月四月は会ってお祝いをしてあげたい、と思う方が多かったでしょうね。「楽しみがまた先にのびたなあ」と思うことにしましょう。郷ひろみもかつて「会えない時間が愛育てるのさ」と歌っていたではありませんか。愛を育てる時間だと思ってみるとか。
悩みはつきませんが今日も「いま・ここ」に生きていることこそが奇跡。ああありがたいなあと思っています。 greenloveさんもくれぐれもご自愛ください。今度お子さんやお孫さんに会うときにいっそう元気でいられるように。
Commented at 2021-01-15 21:38
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kyotachan at 2021-01-15 23:55
>かぎさん
コメントありがとうございます。
いまは残念ながら行くことができなんです。ほんとうだったら新年会がある時期なんですけどねー。今年はいつ行けるのやら。大好きな場所です。
ご近所の方を紹介することはできますよ。下のほうにあるメモ欄にメールフォームを貼ってあります。よかったらメールください。
Commented by 40ansparis at 2021-01-18 16:29
新年の挨拶が遅れました。今年もまだ前が靄の中のように霞んでいますが、完全な外出制限よりもcouvre-feu で済んでいる事は、まだ良かったと思わなきゃ、ですね。でも、18時って午後が忙しいですよね。16h30には移動する事を考えなければいけなくて。パリは通勤のラッシュ時も、その為に早まって15h30となっているとか。
指、大丈夫でしたか?私もかなり前に一度、経験ありますよ。縫うほどは進まないうちに止めましたけど、針がプスッと指を貫通した感覚は、今だに覚えています。思い出すと、ぶるっと背筋が寒くなります、笑。ただ、不思議なことに、かなり前過ぎるせいか痛みに関しては、あまり覚えていないのですが。
細かい日常作業が辛いのですよね。指先って。お大事になさってくださいね。
ひのえうまの会、すでにオンライン化していたとは!元旦は、移動していて難しかったですが、楽しまれたようで何よりです。
今年もまた楽しみに伺いますね。
Commented by kyotachan at 2021-01-18 22:27
>らぱんさん
こちらこそ。あけましておめでとうございます。うふふ、一度言っておかないとて気持ち、ありますよね。
消灯政策。どれほどの効果があるのか疑問。我が家の場合は学校の問題が深刻です。リセの三女は毎日普通に通学しています。fac に入った次女はキャンパスへ行ったのが一週間ほど。あとはずっと自宅でリモート授業。環境的にも集中できないと今日、ついに爆発。この人はしくしく泣いて訴えるタイプで何ごとかとびっくりしました。幸いちょうど長女が帰ってきていて上手に事情を聞きだしてくれましたが、わたしだったら話してくれずにお互いにつらかったかも。自殺する学生の話も聞くし、なんだかもうこんなことで死ぬなよ!と言いたくなるけどでも十代の多感なころにこの状況ではほんとうに死んでしまいたくなるかもと。
指。もうほとんどふさがって傷口が固くなってきました。注意力が散漫しているのです。指にけがややけどを負うとお料理がとたんにおっくうになりますよね。
ひのえうまの会がオンライン化するとはまさか想像もしていませんでした。コロナ禍の恩恵です。来年もしご都合がよければぜひ。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
by kyotachan | 2021-01-09 23:09 | 日 常 空 間 | Comments(10)

南仏・ニース在住。フランス人元夫の間に一男三女。

by kyotachan
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