2013年 04月 10日
démenageur デメナジャー/ 引越しやさん
こちらのお引越しは de porte à porte (ドアからドアへ)ならぬ、de fenêtre à fenêtre (窓から窓へ)が普通。
窓から荷物を降ろす側。
それを受け取ってトラックに積み込む側。
ダンボールが圧倒的に不足していて
片付いていなかったお皿類を包んでいたらまさかの夫婦げんかぼっ発。
「オレは引越しやに金を払っているんだからそういうことは全部やってもらいなさい」。
最初、冗談かと思ったこの夫の発言。
至極まじめにわたしに向けられたことばだとわかって呆然・唖然・あいた口がふさがらん。
結局つめましたけどね、わたしが。
この時点で夫、引越しのこわさをわかってない。
この場合、わたしの息子ではなく夫の息子なわけであるから
ほうけた顔で音楽聴くのにいそがしくても内側で腹を立てておくしかない。
このふたりにはもともと腹も立たない。
いつの間にか過ぎていた「どこかに預けるしかないという年齢」を。
実は引越しの前の週、インフルエンザでまったく使いものにならなかったわたしの代わりに
本棚のものをせっせとダンボールにつめてくれたのが長女だったんでした。
わたしはこれをいい機会にもう読まない本を図書館へ持っていこうともくろんでいたのに
そういうわけでそれはかなわず。
ニース市の図書館、日本語の本の寄付を受け付けるらしい。
大好きだった色つきの窓。
こちらの風呂場は湿気対応になっていないため
わたしたちが住む間にまっくろけっけになってしまった。
わたしたち日本人は雨の豊富な場所に住んでいるせいで
一日の終わりにたっぷりのお湯をはったバスタブにつかる習慣があるのだろうなと思う。
それはきれい好きとかいう問題じゃなくて、そういう習慣があるというだけの話で。
雨の降らない場所で生きている人たちは
彼らがきれい好きかそうでないかという問題よりもまずその前に
からだを洗いたくとも洗えない環境にいるというだけなのとまったく同じ理由。
一日の終わりにからだを洗うという習慣のおかげで
そんな習慣はないこの国のお風呂場は真っ黒になっちゃうわけなのだ。
「シャワーを浴びるのは週に一回。だってお風呂場が湿気で黒くなっちゃうもの」
という人がいたらそれはそれできれい好きってことなのかも。
家具類、テレビや椅子も引越しやさんが毛布(というのだろうか)で包んでくれた。
こんなでかいほこりはじめて見た。
がらんとした部屋が新鮮らしい。
荷物、トラックに入りきらず。
午後、もう一度来て、同じことを繰り返すことに。
家具の解体・組立が予想以上に時間を食い
朝の七時すぎにはじまった引越しが終わったのは夜の十時ごろ。
わたし、吐きそうになってる上に腰が痛くて死にそうでしたわ。
そしてまさかの失態。
履いていくつもりの靴を一足、靴箱に残してあとはダンボールにつめたあと、
履いていくつもりの靴ごと靴箱を引越しやさんに梱包されてしまった。
ほとんど新品だけどどうしても指があたって痛いから
長女にあげようとよけていた靴をわたしがはくはめに。
おかげで腰も痛かったが足の指もずきずきと痛んだ一日だった。
あーもーさんざーん!
ご自愛ください…
写真でしか知らないけど
このお家とのお別れ淋しいなー
床にさよならって言ってるみたいなんだもん
大変ですよね・・・私はもう32年 この家にいますから・・・転勤者が引越しの際に綺麗さっぱり こざっぱりに いらないものを捨てるのをみて
羨ましく思ったものです。 我が家は32年間 ほぼ家具の位置も同じ
モノは増える一方・・・段々と空間が狭くなった。
あ~~、捨てなきゃ~~。
引越し先は近くなの?学校は転校しなくて大丈夫?
あ、そこ?そうなのー。もうね、ほんとにね、病み上がりでどうなることかと思ったのー。引越しが一週間早かったらどうなってたんだろう?健康管理だわー。
しのさん、
大きな夫さえ、ですから。甘いも何も。がっちょーん、な感じでございます。いやいや、しのさん家はこれから自分のものしていく喜びがあるけど、ウチはカリ暮らしのアリエッティですもの。自然とテキトーになっちゃうのよねー。
アトリエ夢さん、
いやもうね、老体を意識しだしたら引越しなど考えるものじゃないとしみじみ思いましたよ。夫も毎日が日曜大工の連続であっちゃこわし、こっちゃこわし、でやっとります。引越しはニース市内。学校もそのままです~。
って一人でビックリしてました。ニース市内でのお引っ越しだったんですね。親切丁寧な日本のお引っ越しでも、大事な物は自分で梱包しないと怖いのに、こっちのテキトーな人達に任せられないですよね。お金を払っているんだって気持ちも分からなくはないですが、壊されてしまったら元には戻らないですもんね。