![]() 方言を初めて意識したのは十八才で博多の予備校に通い始めた時だった 予備校の女子寮に入ったのだけどそこには大学におっこちちゃったいたいけな女の子たちが それこそ九州全土から集まってきていて方言にしたってこんなにバラエティに富んでいるものなのねと感心した つまりは誰一人として例外なくそこに集まったのは九州の田舎っぺたちだったから 方言の自慢をすることはあっても方言を恥ずかしがることはなかった 宮崎から来た子の「~っちゃわ~!」という語尾はその子のパーソナリティにぴったりでとてもかわいかったし 佐賀出身の一見お上品な子の「がっばいうまかとってさ」というセリフには度肝をぬかれたりした わたしは一年後無事東京の大学にひっかかって上京したのだけど そこではじめて方言なるものと戦うこととなった なんたって花の東京 東京っつったって田舎っぺの集合体なのはしばらく住むうちにだんだんとわかってくるものだけれど なんせいたいけな十九の少女には東京にいるのはすべて「東京の人」に見えてしまう 自分だって東京の人なのだと思われたいという今思えばけなげな気持ちでいっぱいだった はじめて一人暮らしをはじめたアパートは 新築だったけれど典型的な安普請でトラックが前を通ればゆれたし隣の子のくしゃみまで聞こえた そのアパートのそばにこじゃれたきっちゃてんがあって ある時わたしはそこへコーヒーを飲みに出かけた 誰かが一緒だったはずなのだけどそれが誰だったのかとんと思い出せない 「コーヒーの濃さはどうしますか」 カウンターの中のマスターらしきひとからそう聞かれたわたしは迷わず 「こゆいのください」 とあくまで東京の人の完璧なアクセントとイントネーション(もちろん田舎っぺの思うところの)でもって答えた 一瞬マスターらしき人の動きが止まった そして苦笑いでもするような顔になって 「ああ!濃いのね」 と答えたのだった マスターらしき人はおそらくそれをなんでもないことのように あるいはそのひとことで完璧に田舎っぺだということがばれた目の前の女の子を できるだけ刺激しないようにそっけなく言ってくれたにちがいないのだけど その気遣いのせいでわたしはよけいに グサッ、、、 と傷ついた さーてばれちまったらしょーがねーやこうなったらどんな質問にもお答えいたしやしょう と開き直ってみるもこちらが期待したような 「田舎はどちら?」 という類のことを聞かれることもなくマスターらしき人は何も聞こえなかったような顔さえしている それがまた田舎っぺの受けたすり傷程度の傷からどぼどぼと血を流す結果になっちゃったんである そりゃまたあーたおおげさだねー と今にしてみたら当時の自分につっこみたい気分にもなるけれど その大けががもとでわたしはそのきっちゃてんにはそれ以来二度と足を向けることができなかった 若いぞキョータ、、、、、 大学の二年生くらいだったと思う トイレの鏡をみながら友人が 「あーんもうー!ずんだれててわたしったらやーだー!」 と言ったのだ その子は東京の池袋出身だと聞いていたから 横でそのセリフを聞いたわたしはビックリして 「ずんだれてるっ?!、、、、て東京弁っ?!」 と聞いてしまった ずんだれている それが実践で使われる折にはおそらく 「あんたなーんばそがんずんだれとっとねーもーちょっとしゃきっとしんしゃいしゃきっと」 くらいの感じで使われるであろうこの方言 「だらしない」とでも言い換えられるだろうか これこそ方言の代表!くらいに思っていた単語が 実は東京でも使われていたのだというオドロキかつヨロコビの発見をして小躍りしてたずねたわけだったけれど 聞いてみればなんのことはない長崎出身の子が口にしているのを聞いて「かっこいい!」と真似して使っているそうな ニッポンで方言がブーム というような時期はわたしがニースへ来たあとだったと思う 今だから言える 方言っていいよなあ ニースにも方言があります、、、結構べったべたな感じのフランス語に聞こえます 次女三十九度を超える熱、、、ふう、、、っ 夫も合わせてダウン中、、、 ![]() 恐れ入ります ![]() 夕方子どもたちが校舎から出てくるのを待っていたら 長男のクラスメートの女の子が「こんにちは」とやってきた 長男と仲がいいらしくいつもこうしてなんだかんだと話に来てくれるのだけど なんと驚いたことにその女の子が言うには彼女のパパは日本人なのだという 初耳だったのでびっくりしながらも根掘り葉掘りと聞いてしまったのだけど なんだかいまいち会話のピントが合ってないような気がする だってその子のパパは日本で生まれて三才の時にフランスへ来たらしいのだけど 名まえがダニエルというのだって ママはマリ国の人でふたりはとうに離婚してしまって今はママとの二人暮しなのだとか きょうだいもパパ側のきょうだいもいればママ側のきょうだいもいてなんだかとても複雑そう へ~ほ~ふん~ と相づちを打ちながら話を聞き 「それじゃあ近いうちに家族みんなで会えるといいね」 なんてことを言い合い彼女は行ってしまった そこへゴミ箱当番らしい長男が現れたので 「ねえねえあの子のパパ日本人なの?」 と聞いてみたら 「ちがうよヴェトナム人だよ」 女の子の話を信用せずにわが息子の言うことを簡単に信用するのか とかそういう問題ではなくて その長男のひとことで会話のピントがきっちりとあってしまったからこれはもう長男に軍配をあげるしかない だってダニエルっていう日本人はものすごーく珍しいけどヴェトナム人だったら納得だもの ヴェトナム人の名まえは発音できない名まえが多いのでたいていの人たちは「通名」を使っている わたしの友人たちの名まえをあげると「ソフィー」「トニー」「ステファニー」、、、 ヴェトナム人のパパー! お嬢さんにちゃんと自分の国籍の話してあげてくださいね、、、、、 しかしこれはこの女の子が長男に興味しんしんでヴェトナムだろうが日本だろうがたいしてかわりはないだろうという超乱暴な思想から発せられた発言だという気がしないでもないけどね 木曜日の夕方長女の風邪っぴきがかなり重症だったので金曜日は休ませることに まあわかっていたことなんですが休ませるととっても退屈そうにしております 柿は「kaki 」としてこちらでもポピュラーなくだものです秋のこの時期が旬です ![]() 恐れ入ります、、、よい週末をー! Tags:フランス語
![]() わたしが働いていた東京の会社には フランス人のエンジニアが常時三人くらい働いていて その中のムラーさんというおじさんの机の上にキッチンペーパーの箱を発見したときわたしは 「わはははー!日本語読めないからティッシュと間違えて買っちゃったんだね」 と言ったのだが隣でそれを見ていた社長(フランス人)秘書のサカイさんが サカイさんはフランス人と結婚して十年くらいフランスやオランダに住んでいた人で 結婚十年を過ぎて夫がゲイだったことが発覚し離婚して日本に帰国したらしい しかしこれは本人に聞いたわけではなくて人づてに聞いたことなので真相はわからない そのサカイさんが 「あら。これは間違ったんじゃないわよ。フランス人はかたいほうが好きなのよ。それにほら何度も繰り返して使うからこのくらいかたくないとだめなんだと思うよ」 とそれはそれは確信ある口調でおっしゃったのだった わたしはフランス人の鼻をかむときの「ビー!ビ!ービー!」というどっから出してんだい!級のごう音を思い浮かべて そうかそうかキッチンペーパーでないとあの音は出せないのかもしれないなあと ひとり納得したようなしてないような気分になったのだけど ムラーさんに確認したわけではないのでサカイさん説が的を得ていたかどうかは今もわからない さっきお昼にカレーの残りと玄米ごはんをフライパンで炒めて食べていたら 鼻水がつつつーっと垂れてきたので たしかここに入れたはず、、、とGパンのポケットをさぐって おそらくもう二回くらいは使用したと思われるティッシュを広げて鼻をかんだのだけど 鼻をかんでいる途中でサカイさんとムラーさんのことが思い出されてきてなんだかなつかしくなってしまったのだった それにしてもわたしったらがぴがびのティッシュを広げて使うなんてまるでフランス人みたいだわ、、、、 クリネックスは商品名ですがティッシュをさすもっとも一般的なことばとして浸透しています がびがびティッシュ慣れるとどうってことないものですええええ、、、 ![]() きっきたないっ?、、、恐れいります Tags:フランス語
![]() 長男が「宿題」で松かさを学校に持っていかなくちゃいけないと言うので出かけた山の方 季節柄クリスマスの飾りつけなのかしら? 昨日お友だちの家でそれはそれはりっぱな松かさをいただいたのに「もっと小さいのがいいの」 それにしてもこの空の色、、、およそニースらしくない 今日は真っ青に空が広がったかと思うと急に雲が覆ってきて降るのかー? と構えるとまた真っ青の空が、、、という忙しいお天気でした More ![]() 昨日のつづき トラム内で立っている人に席をゆずるのは圧倒的に推定四十代五十代の人が多い ゆずられる人たちは推定六十代七十代八十代 わたしも空いた席を見つけたときには周りを見回してゆずるべき人物がいないかどうかを確かめる 座っているわたしのそばにゆずったほうがいいよなと思う人が来ればゆずってあげたい(正直に言えばどうしても立ちたくないときもある) 座りたいよ 疲れていて腰も痛い でもまだ大丈夫 この先十年二十年生きつづけた先には今よりもっと疲れているに違いない この年齢になって「ちょっとの間でも座ることができるとものすごく楽」ということに気づいた そしてねなんといってもまだまだわたしはゆずる側だわってことによろこびを感じてしまうのよ 昨日もまた隣のオネエチャンのジャカジャカ系音楽を聞かされながら これを回避するには自分もイヤホンして音楽を聴くしかないんじゃん?と思い当たった ああ!だからだ!だからネコも杓子もどいつもこいつもイヤホンで自分の世界に入っちゃったんだ だってそうでなければ他人のジャカジャカを聞かされるはめになるもの今のわたしみたいに しかし待てよ これは日本のエアコン戦争と全く同じ構図じゃねえのか? わたしが小さい頃エアコンは公共施設にあるもので一般の家庭にはないものだった いつしか一般の家庭にエアコンをつけるところが出はじめて あれよあれよという間に今じゃあエアコンのない家など存在しないほどだ(これはあくまでニッポンの場合ニースではエアコンはまだ珍しい) 問題は室外機 家の中を涼しくしよう涼しくしようとエアコンを使えば使うほど 室外機はヒートの度合いを強めて外はますます暑くなる 自分の耳にだけ自分に気持ちのいい音楽を聴かせようと ジャカジャカ音の外にもれる器械をみんながみんな使うようになったらまわりの騒音はどんどこどんどこ増す 上昇し続ける気温と騒々しさを増す世の中 そして地球温暖化勃発 もうさ自分だけが気持ちよければいいって時代は終わりにしようよ エアコンもジャカジャカな器械も捨てて地球の未来を話し合おうじゃないか そそそ、そーきたか?! そーなんです!これはもう地球の未来を抱えている大きな問題だったんです! だからおめーらもう、、、、 ![]() よい週末をー!恐れ入ります Tags:フランス語
![]() 最近トラムに乗る機会が多い 何がいやかって若者が必須アイテム的に持っている音楽のなる道具 いやこれはフリでもなんでもなくそれをなんと呼ぶのかわたしは本当に知らないんだけど 携帯電話みたいに平べったくてそこからコードが出ていてイヤフォンを耳につけている それから音がもれるのだけど それがもうもれるとかいう生やさしいものじゃなくて 聞かされてしまうわけなんである トラムが混んでいるときにはそれはもう最悪の環境で わたしは何人もの若者に囲まれて 結果として複数の音楽を同時に聞かされるはめになり おまけにそれらはたいていはジャカジャカ系のうるさいやつだったりするので 拷問? と思いたくもなるんである やっと席が空いて腰をおろしたとたん隣の若者がジャカジャカ系を聴いていてああここもかよ、、、 昨日なんておまけにDSをしている男の子がいてそれがまたドッギャーンバッキューンとうるさいのなんの 隣に連れのおばあちゃんだかヌヌだかがいて口出しするのがはばかれてしまったのだけど 「音を消してくれる?」 とひとこと言ってみればよかったたとえケッ!と煙たがれたとしてもとこれもまた腹が立つんである 大学生の頃バスに乗っていて 隣でウォークマンを聴いていた男の子のイヤフォンからジャカジャカ系の音楽がもれ聞こえていて それが終わったらいきなり松田聖子の瑠璃色の地球にかわったときにはクスッとなったものだったけど 笑えない怒りまくっている わたしもおばさんになったということなのか だいたい「若者」って言い方はもうはてしなく自分が若者でないことの証明のような気がしてああこれもまた腹が、、、 キョータの立腹シリーズでございました せめてクラシックとか聴いてほしい、、、おばさんからのおねがいですぅ(きっと誰からも聞き入れられない) ![]() 恐れ入ります Tags:フランス語
![]() re リ/ もういちど touches トゥーッシュ/ さわる→仕立て直し のお店がたくさんある made in retouche 仕立て直し製? なかなかナイスなネーミング Gパンを切ってもらうときは気をつけないと細い糸で縫われてしまいまったくちがうGパンになってしまいます すそ上げは安いところで五ユーロ≒660yen 也 ![]() 恐れ入ります Tags:フランス語
![]() 「不可能を待つ」ということばに出会ってうれしくなった いやちがうぞと思い直した 「不可能を可能にする」 わたしはこれでいこうと思った トラムの停車場にニース出身アーティスト・ベンさんの「ひとこと」看板がある ニースにはねトラムが走っているんです本当です ![]() 恐れ入ります、、、よい週末をー! Tags:フランス語
![]() 文字通り広告塔と呼びたくなる広告の張替え時にお立会い くるくると古い広告を巻き取って新しい広告をこれから貼るんだなドキドキ なんだか思いがけず舞台裏をのぞいてしまったみたいだ と思っていたらトラム到着 走って飛び乗ったあと わたしってそんなに時間に追われているわけなのね? と自問自答 そうなんですこの時 子どもたちが腹をすかせて家で待っていたんです よく見たらかなりおしゃれな広告塔 今日は曇りがちで空気がぱりっと乾燥、、、秋到来を思わせる一日でした ![]() 恐れ入ります Tags:フランス語
![]() 最終回読めなかった人がいるって、、、そそそそそんな、、、っ うううううそ、、、っ そんな武器にするつもりはこれっぽっちもなかった、、、ん、、、です、、、ゴメンネ? このご恩は次作で返させていただきます(はあ?) ![]() 恐縮です Tags:フランス語
< 前のページ
次のページ >
|